藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
更新される第三項
本日、和光大で第三項の話をした。その中で太極図がなぜ第三項につながるか。その話をし忘れた。Twitterでつぶやこうとしたら、長文になったので、こちらでつぶやく(だからいつもとちょっと文体が違う)。

太極図は、陰と陽が動的に均衡を保つのを示した図。陰陽は共存するもの。対立して弁証法的に高次の発展を遂げるわけではない。

常に動いているというのが、この均衡の大前提。もし静止していたらとてもバランスが悪いものでも、流れの中では均衡を保つことができる。つまり、同じ力の二項でもその均衡点は中央にあるとは限らない。極端にどちらかに振れている場合もある。

時代とともに、制約とニーズは常に変わる。問題解決のために同じ方程式を使っても、わずかな初期値が結果を大幅に変えることがある。その時その場所に最も有効と思われる均衡点を打つ作業が「第三項」を探すこと。

流れを見極め、二項の間に常に新鮮な答えがあると確信し、それを熱心に探し出す姿勢が必要となる。最強の矛が勝つか、最強の矛が勝つか。戦いが一発で決着がつく一回限りのものでなく、永遠に続くものであるとすれば、そこに「矛盾」は存在しなくなる。盾を半分貫いたが矛も傷ついた、といったグレーゾーンの状態が繰り返される。優勢劣勢は交互に入れ替わる。無限の戦いは宇宙の舞いとなり、それ自体が美しい。答えは常に更新され、有って無きものが如し。

デザインがパパネックが言うように秩序を求める作業だとすると、僕は答えの在処の有為転変にデザインの面白さを感じている。

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本ブログでの第三項に関連する記事は、こことかこことかここ
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2009-11-13 21:12 | 二項対立 | Comments(0)
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藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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