藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
無意即妙
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ここはシンメトリーの美を考えさせてくれる空間です。シンメトリーでありながら微妙にずれています。空き缶用ゴミ箱の微妙のズレとか、自販機の上の2つの街灯は左がちょっとひん曲がっているところとか。

個々のエレメントが統合を指向すると同時に、ズレも指向しているのです。

有楽町・新橋間のガード下です。ガードは設計者によってシンメトリックに作られていますが、長い時間が経過するとともにサビや汚れでズレが生じています。それと呼吸を合わすように、自販機やパイロンもシンメトリックに設置されながらも、微妙にズレている。経年の歪みと“無意即妙”のずらし。そこが何とも粋というか。自販機自体は美しくなくても、設置の仕方で美が発現するとでもいいましょうか。こういうの好きだな〜。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2010-01-31 11:45 | Comments(3)
Commented by passerby at 2010-02-05 11:25 x
こんにちは。
もとがシンメトリーであるがゆえにその微妙なズレ、差異が意識を引き立てるということでしょうか。
近所に気になっている家がありまして、私はそれを別のものとの類似の所為と思っていたのですが、このエントリを読んで心に残るのはじつは類似よりもそれに対するズレゆえなのかもしれない、と思いました。
Commented by cabanon at 2010-02-05 21:14
>passerbyさん
心にひっかかるズレってありますよね。

人間の顔が完全にシンメトリーだったら、顔の印象が弱くなるかも。生物ってシンメトリーを形成しながら、わざとずらしておく、その設計(デザイン)に進化というダイナミズムを発生させる鍵があるかもしれません。

ズレの具合が直感ベースのクリエーティブ。ずらしすぎてもダメ。ズレが少なくても動的変化が起こらない。筆をすべらした時の偶然の具合をいかに取り込むか。そこって直感&経験の賜物。かたちの秘術と思われます。
Commented by no name at 2010-03-11 09:58 x
これ、ちょっと思ったんですけど
仏壇の配置にも似てますよね
仏壇もちょいずれのシンメトリーだったと思います
きっちりシンメトリーよりも安定感・安心感を感じます。
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藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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