藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
デザイン優先?
今朝(25日)、朝日新聞の朝刊を開いたら、社会面のトップにこんな記事があった。
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「デザインを優先」って? 
安全を考えるのもデザインでしょうが。

ここで言う「デザイン」とは見た目、外観の美しさ、かっこよさ、商品差別化の手段…

朝日新聞でさえデザインへの理解はこんなものか。哀しくなった。

安全や使い勝手や環境への配慮まで考えるのが、デザインだ。
そんなこと、デザイナーはみんな分かっている(はず)。けれどデザイナー以外の圧倒的多数はそう思っていない。

記者は検察が法廷で使った言葉をそのまま引用しただけだ。が、記者は「デザイン=見た目」という認識に何の疑問も抱かなかった。
挙げ句の果てに、記者は記事の最後でこう結論づける。「安全対策よりデザインを優先した結果が事故を招いた形になった」と──。
えっ?そんな書き方したらデザインはまるで悪者じゃん。「見栄えを優先した結果」と書くべき。せめて「外観デザインを優先した結果」と書いてくれればいいものを。

検察官や新聞の社会部の記者といえば、社会的に地位が高く、広く深い知識が備わっているはずなのに……。そうした人たちでさえ、デザインへの理解はいまだこんなもの。デザインの啓蒙時代はまだまだ続く。

朝日新聞/asahi.comの記事はこちら【森ビル元常務ら起訴事実認める。ヒルズ回転ドア事故】
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-06-25 19:52
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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