藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
Google Mapsで建築デザインの旅
Google Maps、面白いです。

建築&デザインの旅をしてきました。
・注1/原因不明なのですが当初リンクしたものより、ズームが1〜2段階落ちてます。GoogleMaps画面の左側にあるバーのカーソルを上にあげるとズームアップできます。1〜2段階拡大して見て下さい。目標物は画像の中央にあります。
・注2/GoogleMapsは、MacのIEは未対応。Safari1.2.4以降対応。Windowsは、IE 5.5以降閲覧可能)

どんどん追加してたら結構な量になってしまったのでオススメは★★にしておきます。

【欧州へ】
[フランス]
★★ユニテ・ダビタシオン@マルセイユ。屋上のコルビュジエのお得意の「空中庭園」まで見ることができる。
サヴォア邸。同じくル・コルビュジエの代表作。パリ郊外ポワシー。
ペサックの集合住宅。ル・コルビュジエ設計。これも分かりづらいが、写真の真ん中の住宅群。線路の下の巨大な建物群じゃない! 斜めに横切る線路の上側。線路とその上を横切る道路と挟まれた一角。グレーの屋根の建物。1920年代半ばの竣工時はモダニズムの最先端を行くデザインが物議を醸した住宅だが、線路の向かいの巨大なビルに比べれば、今やこぢんまり。ボルドー近郊。
★コルビュジエのカップマルタンの休暇小屋はここ。小屋は小さすぎて何も見えないが、写真の真ん中。線路と海に挟まれたあたり。南仏。モナコの隣。
ヴェルサイユ宮殿の壮大さには息を呑むばかり。右に移動してパリの街と大きさを比べてみてください。拡大すれば細部も見える。

[スペイン]
★★グッゲンハイム美術館ビルバオ。フランク O.ゲーリー設計。
上から見てもグネグネ。
★★サンチャゴ・カラトラバ設計の芸術科学都市@バレンシア、スペイン。カラトラバ全開。科学博物館、オペラ劇場などの入った複合文化施設。公式HPはLa Ciudad de las Artes y las Ciencias
★バルセロナ、モンジュイックの丘にある磯崎新設計の体育館 パラウ・サンジョルディ。 92年の五輪の際に建設。真俯瞰が美しい。左の丸い淡い水色はカラトラバによる塔。上に移動すればミースのバルセロナパビリオン。目玉のような噴水の斜め左下の小さな四角い建物。すごく分かりづらい。
★ちなみにバルセロナといえばガウディだが、サグダラ・ファミリア教会はこの衛星写真だと分かりづらい。真ん中の黒っぽいのが教会ファサードの大きな影。

[ドイツ]
★★ミュンヘンのオリンピックスタジアム。構造家フライ・オットーの膜屋根が神々しく光っている。
★ベルリンのユダヤ博物館。ダニエル・リベスキンド設計。写真中央のギザギザジグザグの灰色の建物。オレンジの逆「コ」の字型の建物の下。

[イタリア]
★カプリ島のカーサ・マラパルテ(マラパルテ邸)。アダルベルト・リベラの設計を施主のクルツィオ・マラパルテが大幅に改変。ゴダールの『軽蔑』にも登場。20世紀の名作建築をたくさん見ましたが、ここは本当に忘れがたい素晴らしいところでした。
★★EUR(エウル)@ローマ。ムッソリーニの理想都市。拡大・縮小すると都市計画がよく分かる。
★★やっぱりローマに行ったら古い建築を見なくては。サン・ピエトロ大聖堂は華麗な十字架。パンテオンはドーム最頂部の穴もしっかり見える。コロッセウムは楕円形。ミケランジェロ設計のカンピドリオ広場。Google Mapsの建築の旅は、パリやNYやロンドンよりもローマが一番面白い。他の大都市に比べ衛星写真が鮮明だし、なにより密度が濃い。

[フィンランド]
★スティーヴン・ホール設計のフィンランド現代美術館「キアズマ」。角笛みたい形をしたのそれ。キアズマとは「交叉」という意味のギリシャ語に由来する。行きましたが形の奇抜さだけでない、丁寧に動線なども作り込んである、いい建築です。全景はこちら
★アルヴァ・アアルト設計ヘルシンキ工科大学(オタニエミ工科大学ともいう)。キャンパス全体をアアルトが計画。中央は扇型の大学本館。

【北米へ】
★★フランク・ロイド・ライト設計マリン郡庁舎。ライトの晩年はヘン。
ジョンソンワックス本社ビル。ライトの代表作のひとつ。レンガ色の建物とその下。ウィスコンシン州。
★★モントリオールのフラードーム。バックミンスター・フラーが万博のアメリカ館として設計。同じく67年の万博の際に建てられた集合住宅アビタ'67(ハビタ'67)。モシェ・サフディ設計。
★★セントルイスのジェファーソン記念碑。エーロ・サーリネン設計。影でアーチの形が分かる。愛称はゲートウェイアーチ。
★サーリネンのTWAターミナル。ニューヨークのJFK空港。
ソーク生物学研究所。ルイス・カーン設計。行きたい! サンディエゴ郊外ラホヤ。
キンベル美術館。ルイス・カーン設計。隣の工事中は安藤忠雄のフォートワース現代美術館か。テキサス州フォートワース。
★イームズの短編映画「パワーズ・オブ・テン Powers of Ten」はシカゴのこの場所から始まる。Zoom outしていけば「Powers of Ten」の冒頭を再現可能。左のシカゴ・ベアーズの本拠地ソルジャーフィールドは改築中。
★ミシガン湖畔をさらに北へ進めばミース・ファン・デル・ローエのレイクショアドライブ・アパートメント。赤いマークのところの2棟。
★南へ行くとイリノイ工科大学。高速道路横がキャンパス。2列に並んだ平べったい四角の建物群の右側の列、中央を真っ直ぐ横切る道路を挟んで5つの建物がミース設計。結論。ミースは空から見ると Less is Bore.

★★ロサンゼルス、白亜の建築群ゲッティ・センター。リチャード・マイヤー設計。1997年竣工。

【南米へ】
★★ブラジリア。翼を開いた鳥の形をしている。ルシオ・コスタが基本設計して、主要な建物をオスカー・ニーマイヤーが設計した20世紀建築の粋を集めた計画都市。ブラジリアの象徴的建築、国会議事堂。真ん中の白い建物。周囲の官公庁の建物はほぼすべてニーマイヤー設計。 街の中心。ブリッジの下にバスターミナル、周囲に商業施設や劇場がある。が、中心といっても大した賑わいはない。郊外にモールや大型スーパーができたせいか。陸軍の施設。これもニーマイヤーの設計。住宅地区の計画もよく分かる。
ニテロイ現代美術館。さすがニーマイヤー、ただ丸い。リオデジャネイロ近郊。横から見るとこう
★サンパウロのニーマイヤー建築。真ん中のうねるカーブのビルがコパン・コンプレックス。集合住宅。初期の代表作のひとつ。ラテンアメリカ記念公園。公園といっても緑はない。複合文化施設。白い建物が講堂。丸が会議場。曲がったのが創造のパビリオンなどなど。

【ニッポンへ】
★★丹下健三の国立代々木競技場(代々木体育館)は真上から見てもカッコいい。東京カテドラルは上から見ると十字が曲がっている。
★コルビュジエ設計の上野の国立西洋美術館は真上からが一番コルビュジエらしく見える。三角の天窓のあるグレイの正方形の建物が美術館。その右斜め上にある国立科学博物館は単葉機の形をしている。設計者のこだわりだとか。
★目黒の日の丸自動車学校の赤玉は、浅草のスタルクの黄金より目立つ。
★やんごとなき御一家のおすまい。

★アントニン・レーモンド設計、キャンプ座間
★横須賀基地では空母も見られます。デカい。いいんでしょうか、ここまで見せて。
★★太陽の塔。ズームアウトすると万博公園の全貌も見渡せます。
★★安藤忠雄、淡路島、本福寺水御堂。楕円形の蓮池の下にお堂が。名作です。近くにある安藤設計の淡路夢舞台。幾何学してます。公式HPはこちら
★安藤忠雄、近つ飛鳥博物館
★明治村のフランク・ロイド・ライトの旧・帝国ホテル
★★ 丹下健三、広島平和記念公園
★★イサム・ノグチ、モエレ沼公園@札幌

【おまけ】
やっぱり建築の旅のシメはこれでしょう。

他に面白いものがあれば、ぜひ教えてください。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-07-06 22:15
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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