藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
電車男のアルケミー
電車男を見に行きました。よかったです。
現代のお伽話ですから、細かい設定がどうのこうのとか、最後がまったりしすぎてるとか、そんな話はどうでもいいわけです。主役の山田孝之とエルメス役の中谷美紀が演技がすべて。お伽話のお姫様を演じる中谷美紀が特にうまかった。美人にこんな表情や仕草や立ち振る舞いをされたら、もう死んでしまう……というのを完璧に演じていた。

エルメスとはあのブランド名から来た名前ですが、おおもとはギリシア神話の神ヘルメス。蛇の杖を持った商業の神として知られるけれど、泥棒の神でもある。結構、裏を持った神です。中谷美紀があまりに男の理想のお姫様を演じている姿に、女性の影の部分を感じてしまったのは僕だけでしょうか。

ギリシアの神ヘルメスと、エジプトの天文学や数学や芸術を司る神トートが合体したのが「ヘルメス・トリスメギトス」。西洋の錬金術は、この神の誕生から始まるとされています。トリスメギトスとは「三重の」という意味。「通常の三倍」の能力を持つヘルメスってことです。

もちろんエルメスと言えばララァ専用のモビルアーマーの名。(はぁ?そっちはElmeth、スペルが違うって。ま、いいじゃないですか、日本語でかぶってんだから)。とにかく、赤い彗星の人といろんなところで繋がっているんです。

で、きっと電車男は百式のTシャツを着てる。百式はZガンダムでシャア(クワトロ大尉)が乗ってたモビルスーツ。電車男の百式は愛のメガバズーカランチャーでエルメスを打ち抜く。えっ何言ってるか分かんないって。いいです。ええい、続ける──。電車男はエルメスと結ばれ、「真の通常の三倍」の能力を手に入れる。賢者の石は通勤電車に落ちていた。「電車男」はシャアの夢物語、いや現代の錬金術の物語だったんです。

あ、そうそう、デザインの話もしておきます。オープニングのタイトルデザインがかなり秀逸。TV版のオープニングアニメもいいけど動きにやや滑らかさが欠ける。松本零士にやってもらう勇気が欲しかった。
けどTV版のOP曲がE.L.O.のTwilightというのはうれしい。僕はジェフ・リンを尊敬してますから。でもお伽話の主題歌だからXanaduのほうがよかったでしょ。と言ってみたりする。

【おまけ】結局ガンダム話になったんで、期間限定Yahoo!のガンダム占い
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-07-12 22:29 | Comments(0)
<< 息、生き。意気、粋。 数寄、好き、空き >>


S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

Twitterもやってます!

*当ブログの奥座敷
KoKo Annex

ライフログ
最新のコメント
以前の記事
カテゴリ
ブログジャンル
リンクについて
当サイトはリンクフリーです。
お気軽にリンクして下さい。

本ブログの記事と写真の
無断複写・転載を固く禁じます。




Copyright 2005-2016 Keiichiro Fujisaki All rights reserved
本ブログの記事と写真の無断複写・転載を固く禁じます。