藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
カチーナ人形が気になります
葉山に行ってきました。
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海水浴じゃありません。神奈川県立近代美術館 葉山で行われている「アンテスとカチーナ人形」展(28日まで)を見るためです。
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見とくべきです。なぜならカチーナ人形は20世紀のデザイナーやアーティストに強い影響を与えた人形だからです。

展覧会は2部構成。第一部はドイツの芸術家ホルスト・アンテスが収集した北米先住民族ホピ族のカチーナ人形79点。第二部は絵画を中心としたアンテスの作品62点が展示されています。つまり、民俗人形コレクション展と、現代芸術家の回顧展の二本立てになっているのです。
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左がカチーナ人形。右がアンテスの作品

僕の興味はカチーナ人形。アメリカ南西部の砂漠地帯に暮らすホピ族が作る精霊たちの人形です。

僕が最初にカチーナ人形のことを知ったのは、チャールズ&レイ・イームズの記事を書いていた時のことです。有名なイームズ夫妻の自邸イームズ・ハウスにカチーナ人形が数体飾られている写真を見て、そのユニークな姿形に興味を惹かれました。

イームズ邸のカチーナ人形は、おそらくアレキサンダー・ジラードの影響です。ジラードは建築家でありテキスタイルデザイナーであり、イームズ夫妻の友人でもありました。彼は世界中の民芸品の収集家としても知られ、1万点に及ぶコレクションは現在ニューメキシコ州サンタフェにあるMuseum of International Folk Artに寄贈されています。ジラードのコレクションはアメリカ先住民族の民芸品だけではないのですが、ジラードのファブリックには明らかにカチーナ人形から影響を受けたデザインがいくつか存在しています。

そんなとこまでが、僕のカチーナ人形の知識でした。ですから今回の展覧会は発見だらけ。しっかりカチーナ人形のことについて勉強させてもらいました。

出品作はホルスト・アンテスの世界最大といわれる約800点のコレクションから選ばれたものですが、会場の作品のクレジットを丹念に見ていくと「マルセル・デュシャン旧蔵」「マックス・エルンスト旧蔵」というものがありました。いかに20世紀の先鋭的なアーティストやデザイナーがカチーナ人形を愛していたかが分かります。
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ミュージアムショップで買ったしおり

ま、とにかく見に行って下さい。どれも幸せそうな顔してます。アフリカの木彫人形などと違っておどろおどろしくない。マンガのキャラみたいなのもあります。鬼太郎の目玉のオヤジだろっというのも現れます。

二部のアンテスの作品はあまり興味が持てず、駆け足に見てしまいました。ちょっと礼を欠いたかも。だってアンテスさんには優れたホピ族の人形をたくさん見せてもらったんだから──。感謝です。

あっそうそう、海水浴客といっしょの時間帯に帰るとヒドいことになります。日曜日だったんで夕方5時の帰りのバスは超満員&渋滞でした。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-08-08 17:56 | Comments(0)
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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