藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
木の家
d0039955_48869.jpg無印良品「木の家」カタログの仕事をしました。おととい我が家に届きました。書いたのはたった2ページ。杉本貴志さんと小池一子さんのインタビュー。あなたなら無印良品の家にどう住まうか、というのがテーマです。広告カタログですから僕のクレジットはありません。でも、この記事、ぜひ読んでもらいたい。とても大切なことを語っていただけたのです。

杉本さんは言います。
「昔は知性といえば、何冊本を読んだの、英語できるの、数学が得意だということだったけれど、今は自分が認めたものを自分の手元に引き寄せる力、つまり考えることと生き方をなるべく一致させることが、知性だと思うんです」

僕はこの意見を全面的に支持します。デザインを完成させるのは使い手の知性です。お二方ともそれを語っています。
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旗はいただけません。住宅展示場っぽさを出すアイテムなのでしょうが、要リデザインです。北欧の家具会社の人が見学に来てました。


で、MUJI+INFILL世田谷へ木の家のモデルハウスを見てきました。カタログもう置かれているかなと思って……。ありました。無印良品のお店でもらってください。

世田谷の木の家へは東急・大井町線 等々力駅から歩いて12分。緩やかな坂道を登っていくのでけっこう駅からあるなって感じです。

有楽町のショップにある、屋内に作られたモデルハウスとはだいぶ印象が違います。21世紀の日本の住宅建築の提案として見ておくべきだと思います。

この家をどう見るかは、間仕切りのない、個室のない、一室空間の家をどう考えるかでしょう。やはり住む人のライフスタイルを限定します。そもそも無印良品がもっていた間口の広さがありません。
たとえば僕んちならこれでいいです。奥さんと二人暮らしですから。お互い何してるか音で分かる生活をしています。でもこれが生活の定番とは思えません。もし、僕が子どもの立場なら、親と暮らす生活に間仕切りのない空間は100%ありえません。

住まい手を限定する。その上で最大限の自由を提供する。そうした意味でこの家は無印良品の決意表明だと思いました。誰にでも満足してもらえる定番的商品で勝負する戦略ではありません。西友のプライベートブランドというスーパーマーケット的な発想から完全に脱却しています。この家はMUJIの思想の共鳴を増幅させるための装置です。愛せる人も愛せない人もいるでしょう。
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苦言も呈しておきます。自転車は置けるけど駐車場はどうするの?という大切な問題が解決されていません。等々力のモデルハウスでは、2階のベッドルームの奥に、家とは別に商談用の個室が2つ増設されているのですが、それがあって初めて吹き抜け空間が生きたような気がしました。ま、根がひきこもりなので、そう思っただけなのでしょうが……。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-09-28 04:12
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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