藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
モエレで起きたちょっとした奇跡のお話
先週の土日、紅葉の北海道に行きました。
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報告が遅れましたが、いいことがありました、とても感動的なことが。

北海道に行ったのは、某誌の取材で滝川と札幌で開催された五十嵐威暢展の見学バスツアーに参加したからです。仕事で書く話ですから、五十嵐威暢展のことはここでは書きません。面白かった、としか。
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バスツアーには五十嵐展のほか、サービスメニューのようなかたちで札幌のイサム・ノグチの「モエレ沼公園」の見学が含まれていました。

僕は二度目のモエレです。海の噴水が完成し全面完成してからは初めて。モエレ山も初登頂です。
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日曜日の午後、たまに陽が差しましたが基本的に曇りです。しかし、絶好の天候だと思いました。以前このブログのモエレのプレイマウンテンに関する記事にいただいたver.さんのコメントに「晴れて分厚い雲がたくさん浮いている時はサーマル日和です」と書かれてあったからです。

このブログのタイトル写真は、以前モエレのプレイマウンテンで撮ったトンビとラジコングライダーのランデブーです。今度もまたいい写真が撮れるはず──そう期待に胸膨らませながらプレイマウンテンに登りました。
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トンビもグライダーもサーマル(熱上昇気流)と戯れていました。3人の方がグライダー操縦に興じています。「あそこにサーマルが……」といった会話が聞こえます。彼らには僕らの見えないものが見えている。やはり今日は絶好の日和かも、と思いつつ、連写のきかないEOS Kiss Digitalにイライラしながら必死にシャッターを切りました。
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うん、いい絵が撮れたかも、と思って、3人の方の中の一人に声をかけてみました。「今日はグライダーを飛ばすのにいい天候なのですか? サーマル日和とか言うんですよね。僕はブログを書いていて、2年前にここに来たとき、トンビとランデブー飛行の写真を撮ったんです。それをブログに載せていたら、“その操縦をしてる人は僕の仲間です”とブログにコメントをいただいた。それでサーマルのことを教えてもらいまして」と話していたら、「それ、僕ですと」と隣にいた方が……。

d0039955_23122955.jpgいやぁ〜嬉しかったです。心が震えました。正直言うと、もしかしたら、3人のうち誰かがそうかも、と根拠のない“予感”のようなもを感じていたのですが、でも、いきなり「もしかして僕のブログにコメントした方ですか?」と声をかけるわけにもいかず、だから、少し声量を大きくして回りに聞こえるように話かけてみたのです。

d0039955_1144247.jpgver.さんと握手しました。ネットのコミュニケーションに血が通いました。これこそプレイマウンテンの力。遊びの親和力です。

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モエレ山は園内で最も高い山です。プレイマウンテンは脇役になってしまったのかな、と思いきや、モエレ山に登って気づきました。これはプレイマウンテンを見るための山です。
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証拠に僕がモエレ山の頂上から撮ったプレイマウンテン(上の写真)と、1933年イサム・ノグチが最初に大地(地球=earth)を彫刻するという構想を思いついたとされる鍬のモニュメントのドローイング(リンクのページの中央)と見比べて下さい。同じ角度です。モエレ山のてっぺんからノグチが最初に思い描いたプレイマウンテンの姿を見ることができるのです。やはりモエレの主役はプレイマウンテンです。
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-10-29 23:30 | お気に入りの過去記事 | Comments(3)
Commented by おやつ at 2005-10-30 09:10 x
なんだか不思議な力のようなものを感じる出会いですね。
ちょっとみぞおちが温まるような話でした。

「モエレのプレイマウンテンに関する記事」
も読ませていただきました。
スケールを自由に操って見るということ、
今まで考えたこともなかったですが、
そういうモノの見方、身につけたいものです。
おそらく訓練が必要でしょうね。
Commented by ver. at 2005-10-30 11:03 x
先日は僕もびっくりしました。
まさかっと思いました。邂逅ですね。うれしかった。
一緒に飛ばしている仲間もプレイマウンテンで次々と引力のように出会いました。

以前ここに書かれていた言葉を思い出します。
「奇跡とはそれを準備していた人にだけ起こる」 だったかな?
ちょっと大げさかな 笑。

RCグライダーのHP
http://soar.web.infoseek.co.jp/

CG制作のHP
http://www.wall.co.jp/ohta/main01.html
来年また札幌で個展を計画しています。

またどこかで邂逅できるといいですね。
Commented by cabanon at 2005-10-31 09:13
>おやつ さん
ここまで自由にスケールを操れる人は建築家でも見たことがない。
ノグチはスゴい人です。

>ver.さん
僕も驚きました。バスツアーでたった2、3時間くらいのモエレ滞在でしたが、そこで出会えるとは!

CG拝見しました。サーマルを可視化したCGは、RCグライダー愛好家ならでは作品ですね。もうひとつの動画「塔の国」を見ていたら、あの塔って現代の先進国の社会そのもののような気がしてきました。いつか日本もああやって倒れる時が来るかもなって。9.11のワールドトレードセンターはその予兆。加速度的に高くするのを抑えないとバベルの塔になりますね。
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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