藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
デザイナーズウィーク × 光琳
土曜日はDesignTide巡り。
代官山でリボンプロジェクト、GRAPHの展示を見て、青山へ。根津美術館近くのTIME&STYLE EXISTENCEで行われているジャン-マリ・マソー展へ(11月30日まで)。建築からテーブルウェアまで注目のデザイナーの仕事をたっぷり見ることができます。鏡張りのエントランスはちょっとしたアトラクションのようです。(ジャン-マリー・マソーのHP
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その後やる気の無い?イデーの展示を見て、スパイラルでマリメッコを見て、トム・ディクソン設計のTHCビルへ。80年代回帰をしたかのよう。かなりナイジェル・コーツっぽい。ニアレトロとでもいいましょうか。カフェでThe Clash流れていたし。

実は、マソー展の前に、根津美術館へ行きました。
尾形光琳の国宝「燕子花図」の展覧が本日日曜日までです。
閉館ギリギリに入りました。立ちつくしました。久々です、あれほどじっくり絵を見たのは。おばさんたちに解説している専門家のような方が「天下の名品」と言っていましたが、納得です。
最初、遠目で見るガラスケースの中の屏風絵は、僕が小学生の頃集めた大阪万博の記念切手で知ってるイメージです。近くでじっくり見ました。細密描写でないのが意外でした。輪郭のぼやけた色の塊による表現。下絵か?と思ったほどです。
それが見れば見るほど、変わっていきます。
群青の花が踊り出します。花には流れがあり、見る場所によってリズムが変わります。見るほどに自分の知っていた教科書や切手を通して僕の脳裏に焼き付いてきたイメージから離れていく。やがて緑の葉が燃えはじめます。学生時代パリのオランジュリーでモネの睡蓮を見たときと同じ体験です。絵が変化する。現実の現実感(リアリティ)より、絵と僕を結ぶ「つながりのリアリティ」のほうが数十倍も強度が増す。これぞ伯牙──。龍門の琴のあの話です。

本日デザイナーズウィークで青山散策する予定のある方、ちょっと現代を忘れて、時代を超えた芸術の力も、ぜひ、見ておくべきです。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-11-06 09:46 | Comments(4)
Commented by 謎野 at 2005-11-06 11:56 x
はじめまして。
「特別展 国宝 燕子花図」を拝見しました。
光琳と燕子花図を詠った拙い短歌を作りましたので、よろしければお立ち寄りください。

「雪の朝ぼくは突然歌いたくなった」
  http://blog.goo.ne.jp/nazohige
Commented by cabanon at 2005-11-07 11:42
>謎野さま
歌いつづけるエネルギー、感服いたします。
Commented by MIHO at 2005-11-07 23:33 x
はじめまして。私も燕子花図を見に行きましたのでTBさせていただきました。素晴らしい作品でしたね。
Commented by cabanon at 2005-11-08 00:20
>MIHOさま
コメント、トラバ、ありがとうございます。
MIHOさんがブログで書かれているように、あの花びらは「ふくよか」なんですよね。あのふくよかさは、他の日本の絵画で見たことがない。印象派のようなんです。
光琳の二大傑作のひとつMOA美術館の「紅白梅図屏風」ではここまで心は動かされなかった。あちらは完成度の高すぎるのかも。燕子図の緻密に構成されているのに、ふわっとしてゆるい感じ。なんかすごく現代的なものを感じます。
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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