藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
しばらくお待ち下さい
3月になって更新が滞っているのは原稿を書いているからです。長めの原稿を書いててヘロヘロです。
原稿書きって歯磨き粉のチューブを最後の最後まで絞り出す作業に似てるんです。楽しんで仕事するとかいいますけど、僕にとっての原稿書きは苦しんで書くもんです。取材して頭に入ってることを後には何も残らないくらいギュギュギウッと絞りだす。マゾヒスティックな快楽の向こうに自分でもう〜んと唸る原稿が存在します。
でもブログ書きは違いますね。絞るというより、粘土をペタペタと付け足して形を作る感じ。コネコネペタペタ。これは単純に楽しい。昨年5月にブログを始めてみて同じ文章書きでもこんなに違うのか、と驚いています。
食えないけど何故か生きてる、そんな人種がライターです。ま、その分、納期って概念がなくて。締め切りと納期って違うんです。締め切りはぶっちぎってナンボ……なんて畏れ多いことは決して思ってません。でも正直な編集者はキライです。締め切りは深刻な顔して「どうしても」って言って1週間前を伝えてほしい。絞りきるのってホント切羽詰まらないできないんで。きっと納期と締め切りがいっしょの世界で仕事をすると、食えるようになるんでしょう。でも、いいや、そんなの。書くのやっぱ好きだから。絞るのツライけど。マゾってわけでもないんですが。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2006-03-07 22:17
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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