藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
戦争画
日曜21日までです。東京国立近代美術館の藤田嗣治展。金曜の午後3時すぎ、小雨の中50分待ちの行列に並びました。実際は30分くらいで入れたのですが、仕事の関係で時間が無く、最初のほうは飛ばして、お目当ての戦争画だけをじっくり見てきました。
心に重低音が響きました。
戦争画を描いたことを非難され日本を離れた藤田ですが、その玉砕画は戦争讃美などではありません。反戦と捉える人もいるでしょう。しかし僕には政治的な立場を超え、ただただ極限の生と死を描いた絵画に見えました。ほのかな希望と圧倒的な絶望に覆われた地獄絵図です。政治も倫理も信条も超え、100年後200年後に本当の評価を得るものでしょう。
私感で言えばゴヤ以上です。藤田の画風特有の奥行き感の薄い平面性があるけれども、見るほどにその世界は厚く深い。暗く見えない部分に青黒い皮膚の死体が精緻に描かれています。
「地獄の黙示録」を思い出しました。コッポラもあれ以降凡庸です。

混んでいるのを覚悟で見に行くべきものです。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2006-05-20 00:44 | Comments(0)
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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