藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
アオリ
本城直季の写真って評価されすぎじゃね?
編集者の気持ちとして、一度は頼んでみたいって気はわかる。
好き嫌いで言ったら好きかも。
けど、なんでもかんでもあの手法というのは……。
模型みたいに写されて喜ぶ建築家っているんだろうか。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2006-12-27 23:33 | Comments(9)
Commented by antliondiary at 2006-12-28 02:20
周りの評価や建築家の心情はよくわかりませんが、
本城直季さんは
「そうそう、そういう風に見えるよね。」
と共感できる写真家の一人です。
たまにマン盆栽っぽいところが理解しにくいのですが。

他にはホンマタカシさん、松江泰治さん。。。
高い場所から都市を見下ろす行為が日常だからこその共感なのかもしれません。

Commented by cabanon at 2006-12-28 08:16
> antliondiaryさん
うむ、たしかに本城さんの写真が受けているって、
「そういうふうに見えるよね」という共感を呼び起こしていますよね。
その背景では、
「こういうふうに見たい」という多くの人の潜在的な欲望と
共鳴し合っている。
世界をジオラマ化したいって夢。GoogleEarthなどの魅力にも通じる。
でも、撮る対象、もうすこし絞り込んだ方がいいのにと思っちゃうんです。
じゃないと、レーザーラモンとかみたいに飽きられたらおしまいになっちゃう。
Commented by shu_tonsu at 2006-12-28 18:16
ごぶさたしています。周です。

前から思ってたんですが、本城さんがメディアで取り上げられる前から
長塚秀人さんというアーティストが、同じようなことやってました。
でも、長塚さん、メディアの人と仲良くしたり売り込んだり、
絶対苦手そうな方で、、
あっというまに、本城さんの専売特許になってて、正直、複雑です。
最先端のアイディアを現実化したアーティストを
うまーく、日本社会で売り込んで世に出すプロデューサーの必要性を感じました。
http://www.roentgenwerke.com/works/nagatsuka2005/nagatsuka.html

でも、ビジュアル・アート、どんどん面白くなってるから、
来年も期待大です。
さらによい2007年になりますように!!
Commented by cabanon at 2006-12-28 19:59
>shu_tonsuさん
URLを入力して、長塚さんの写真を見て、ちょっと言葉を失いました。
おそらくこの手法は、もっと以前からある手法なのでしょう。
皆さん、見て下さい!

本城さん自身にとっては、あの世界はピュアに独創したのものでしょう。
いろんな人から声をかけてもらって、
いろんなものを撮らせてもらう機会を得て、
それは写真家にとって最高に幸せな状況だと思います。
だけど、売り込むプロが「独創性」をねつ造しちゃいかんなと思う。

本城さんの生み出す「絵」は、
みんなが見たいものを映し出しているのは事実です。

僕らの仕事は、何故それが受けるのかを解明すること。
都市のジオラマ化の系譜を考えるのはエキサイティングです。
AKIRAもエヴァも、ジオラマ化してたし、
森タワーから見る東京は、サンシャインから見る東京より、
なんか非常にジオラマ化しているように感じます。

きっと本城さんは欧米でも成功するでしょう。
ブラジリアとかチャンディガールとか20世紀の計画都市を撮ってほしい。


Commented by cabanon at 2006-12-28 20:06
(前投稿の続きです)

「今、ここ」から見た世界を永遠化する、ジオラマ化は近代の欲望です。

ですから、あの手法を誰が先に始めたかなんて次元を超えて、
あの世界を、海外に送り出したい。
そうなればいいなと思うから、苦言を呈したくなるわけです。
シャープの広告のため、
亀山工場まで撮っている本城さんに、えらく違和感を覚える。
エクスナレッジで藤森さんの建築を撮った写真も、
辞退したほうがよかったのにと思うし。

あっ、そう、でも、アートはもっと面白くなりますよ。
使命感を持ってアートに取り組んでいる人、
本当に多いですから。
Commented by antliondiary at 2006-12-28 20:43
もっと以前からというと、
2001年の春夏にPRADAの広告キャンペーンの写真を撮ったCEDRIC BUCHET の写真も充分ジオラマっぽいと思うのです。当時はプラスティックと形容されていましたが。
http://www.jousse-entreprise.com/html/art/buchet/buchetev01.html

手法のことはよくわからないのですがいかがでしょう?
Commented by cabanon at 2006-12-28 20:51
>antliondiaryさん
ホントだ。これもかなりジオラマですね。
プラスチックという形容も納得です。
すべてがデザインされた世界である、ということを確認させるような
映像が求められているのでしょうか。
ジオラマの裏に、ドロドロしたジオラマにならない世界があるのに。
「鉄コン筋クリート」は完璧にジオラマ化された世界を
背景として描いていましたが、
クロとシロ──主役たちはそのジオラマ化を拒否する人たちでした。
Commented by shu_tonsu at 2006-12-29 02:12
私は、長塚、本城ラインの写真を見たときの最初の印象は、
まったく、タイトルも作者も思い出せないんですが、
アメリカ人がつくった、やっぱりジオラマ風にした街並みが出てくる
実写の絵本でした。
ジオラマって、箱庭よりも乾いた響きがして、面白い切り口ですね。

ヴァンジ彫刻美術館で松江泰治展の、静岡を上空から
航空撮影した写真を見たときの印象は、ジオラマっていうより、
むしろ、抽象写真、でした。ミクロとマクロ、そして全体の構成が完璧、
あれを、過酷なヘリ撮影で瞬時に可能にしている松江氏の動体視力に感銘を覚えた記憶があります。

本人に聞くと、面白いことに、航空写真で初トライしたカラーフォトを公表するにいたった理由は、デジタル出力による解像度の高性能化、なんだそうです。
もっとも、手焼きプリントにこだわってそうな人が、そんなこというなんて、目から鱗だった。さらには、デジデータにしたとき、容量が大きい写真ほどいい作品になるんですって。なんだか、ドキドキしません??

(話題、ずれまくってて、失礼をば)
Commented by cabanon at 2006-12-29 10:54
> shu_tonsuさん
ジオラマのように見える写真って、神の造りしものを、人が再現したもののように見せる写真であるわけだから、そこには当然「省略」というプロセスが必要になる。

アオリを使うのは、人の視覚に近い表現だと思います。中心視と周辺視があって、人は中心だけにピントを合わせていて、周辺の情報はかなり「省略」して視ている。アオリは質感やディテールを省略してしまう。だから人も建物も木々もプラスチックのように見える。世界を人が造ったもののように見たい、という欲望に適った写真技法だと言える。

でも、松江さんの話は、逆で、「容量が大きい写真ほどいい作品になる」ってことは、人の見えないものまで写し出そうとしているわけで、ジオラマ化とは反対方向の写真だと思います。都市、それがたとえ人が造りしものであっても、人の視覚では捉えられないディテールがある。当然、神の造りし自然にも──。見えない情報をどうすくい取って、見える情報にするか、どう写真に定着させていくか。

そんなふうに思うけど、松江さんの写真、雑誌でちらりと見たくらいで、ちゃんと見てないからこれ以上は論評できないです。でも、ドキドキしますね、こんなこと考えていくと。
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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