藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
シブヤがカシワ
渋谷が佐藤可士和のケータイの広告でいっぱいでした。撮ったのは2/16(金)です。Smapの広告から佐藤可士和がお得意とする、色ベタ広告です。今回は白、ピンク、黄、濃紺の4色。前の手法は受け継いでいても、今回は二次元の色ベタで、ケータイという三次元のプロダクトを示しているから斬新です。そしてその広告が、リアルな世界と、メディアが作り出す仮想現実との境界があいまいな、渋谷という落ち着きのない劇場都市に展開される。ケータイがつなぐ時空は四次元です。コミュニケーションのデザインの専門家が、ケータイのプロダクトデザインまで手がける意味が頷けます。グラフィックとプロダクトと都市とネット空間を結びつける力は、まさにデザインの力。さすがだな。
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それにしてもサロンパス。久光製薬。渋谷の一番目立つとこじゃなくてもいいと思うが……。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2007-02-19 23:23 | Comments(8)
Commented by masaya at 2007-02-20 02:16 x
佐藤さんのすごいところは、デザインに賛否両論があっても負のイメージが定着しないところですね。
原さんも「彼は確信犯」といっていましたし。
中条さんの”ちば”を論ずるとき、佐藤さんの”ユニクロ”が引き合いに出されていましたが、結果は歴然のように感じました。うーん、なにかマジックのよう。
Commented by まだらぼけ at 2007-02-20 02:30 x
あの...難しいことはわかりませんが、色の氾濫という日常結構目にする風景を切り取ったことがすごいです。
アジアとも違う独特の全体色は、はやり日本ならではなんでしょうか...
よくわからないのに口挟みました。ごめんなさいm(_ _)m
Commented by cabanon at 2007-02-20 10:18
>masaya さん
佐藤さんのデザインしたロゴの造形とかケータイの造作とか、個々に評すると、いろいろ注文をつけたい人は出てくるでしょうが、仕事の総体を評すれば、もはや「だったら同じことやってみろ」と言われて、誰も真似できないレベルには達してますよね。

同業者が気になるような造形面の粗雑さが、逆に世間一般の受け手にとっては「スピード感」に変わるときもある。そこがきっと確信犯なんでしょうね。走りつづけてもらいたいです。
Commented by cabanon at 2007-02-20 10:25
>まだらぼけ さん
うん、たしかにこの4色は、アジアというか、香港とかタイなど南の方のアジアあたりの色の感じとは、なんか違いますね。この4色の取り合わせには暑苦しさがない。「日本ならでは」といったら、そうかもしれませんね。
Commented by antliondiary at 2007-02-25 03:04
この4色が「日本ならでは」って感じ、すごくよくわかります。しかも都会の色。
上の写真では

・HMVのロゴのピンク
・どこかのドラッグストアの黄色
・白いビル
・久光製薬とUCカードの看板の青

と、全て渋谷の街に既に存在する色をぎゅっと凝縮した感じですね。
氾濫している色を拾い上げて反復すると
ただ氾濫しているように見えた色までもが必然性を持ってそこに存在しているように思えてきます。
いい広告ですね。

Commented by cabanon at 2007-02-26 02:37
>antliondiaryさん
ほんと、うまいこと、渋谷の色をすくい取ってますよね。
渋谷のハチ公前交差点って、ビルが高くもなく低くもなく、
適度な圧迫感で、人を広告が囲い込むところが好きです。
交差点で信号待ちしていると、
劇場の舞台に立っているような感じがする。
この感覚は新宿にも銀座にもない。
昔は新宿アルタ前がちょっとそうだったけど。
パノラマビューな感じは渋谷だけなんですよね。
舞台装置だと考えると、この広告は歌舞伎っぽいように思えてきます。
Commented by そして全てが・・ at 2007-02-27 03:43 x
色褪せて見える日も近いですね。
普通のケータイも所謂デザインケータイも。
iPhoneのようにハードもソフトも一メーカーによって真正面から徹底的に開発されてしまっては・・・
日本のキャリア主導のやり方ではメーカーもやる気が起きず、デザインケータイという表層にみんな走ってしまった、と。
ま、雑貨ですよね。まさに渋谷がお似合い。
でも、これ悪口ではないですよ。携帯電話を雑貨にしたのはすごいことです。
過去、パイオニアがタッチパネル式の携帯を出したこともありましたし、iPhoneをカンフル剤に今後は違う方向も期待したいです。
ガンバレ日本メーカー!
Commented by cabanon at 2007-02-28 12:51
>そして全てが・・さん

>携帯電話を雑貨にしたのはすごいことです。
ほんとそうですね。

僕は、ケータイはグッドもバッドもロングライフも短命も超えて、Tシャツのように気軽に自分の好きなものを身につけるようになればいいと思ってます。デザインTシャツという言葉にあまり意味がないように、スウォッチを特にデザインウォッチと言わないように(出たての頃は言ったかもしれませんが)、デザインケータイという言葉もそのうちあまり意味のない言葉になるでしょう。

だが、おっしゃるように、iPhoneとか、まだまだケータイのあり方そのものを変えてしまうデザインというのが一方にはあって、それは全然出尽くしていない。ウィルコムのSIMスタイルなどが面白いけど、今のところまだ爆発力に欠ける。

キャリアにとってケータイは契約書で、デザインケータイは契約書を色とりどりにした、みたいなものでしょうが、そろそろケータイという道具のあり方自体を変える提案(デザイン)も欲しいですね。
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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