藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
似顔絵の巨匠
『日経アーキテクチュア』編集部の宮沢 洋さんが南洋堂のウェブサイトのために描いた建築家の似顔絵。締め切りがとうに過ぎてるのにずっと書いてる原稿が完全に煮詰まった間、しばし時の経過を忘れて楽しんでしまいました。

写真を参照にするだけは描けない似顔絵です。建築の歴史にも業界にも精通し、建築家の取材を長年重ねてきた記者だから描ける似顔絵です。

取材をしているから「ここまではいじれる。逆にいじったほうが味になる」と判断できる。僕はライター仕事で、取材した人をどこまでいじれるか常に考えながら書いています。彼らが望むように書くとつまらない記事にしかなりません。実は多くの人がここ突っ込んで欲しいだけど自分じゃ言えないしってところを持っているんです。そこを探し出して、いじれば、取材記事はより伝わりやすくなる、といっても、オレをいじるってオーラを発している人もいる。余裕ないんですよ。そういう人の取材は愛情が湧かない。それがPR記事みたいな文体になって出てしまう。そんなことがわかるから、この似顔絵がとても楽しい。

取材をベースにしているので、現役には容赦がありません。
というか、いじられている人ほど、愛情あふれているですよね。建築への愛を感じます。愛があるから、つっこめるし、いじれる。それがイヤミにならない。

僕のベスト3はみかんぐみ(そこまでいじるか)、丹下健三(かわいい)、妹島和世(内面を描き出す女性の似顔絵はむずかしい。けどそれをサラリとやり遂げている)かな。

次点は白井晟一(こわい)。いや挙げ出すときりない。ヘルツォーク&ド・ムーロン(矢印)、宮沢さんお得意の安藤(顔の大きさが世界一?)、伊東、藤森。いいですね〜。

みなさんのベスト3は?
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2007-07-03 13:14 | Comments(5)
Commented by y_and_r_d at 2007-07-03 22:54
こんばんわ。
枠に収まりきらない
J.ヌーヴェル(安藤忠雄もかなりはみ出していますが・・・)に
一票を入れたいと思います。
Commented by こりん at 2007-07-04 06:02 x
おはようございます。
朝から大笑いさせていただきました。
背景のトーンの使い方が秀逸ですね。

名前を隠されてもわかるという点で
安藤忠雄、コルビュジェ、ミース、妹島和世。
(有名どころですし)

実際のお顔は知らないのですが並々ならぬ愛情を感じたのがH&deM。
枠からはみ出す細長い顔と、耳のために枠を変形させてしまったところに興味がわきます。
Commented by cabanon at 2007-07-04 22:33
> y_and_r_d さん
ジャン・ヌーヴェル、この似顔絵、本人に見せたいです。
はみだし系、いいですよね。
ああ、そこまでカメラに近寄らないでくださいって感じで。
宮沢さん、距離感まで描いているんですよね。

> こりん さん
背景のトーンまで凝ってますよね。
僕はこのイラスト、ナンシー関以来の才能だと思います。
Commented by ver. at 2007-07-05 18:26 x
こんにちは
楽しさと洞察力の深さを同居させている素晴らしさに驚きました。

白井晟一
L.カーン
C.スカルパ
がBEST3でしょうか。

もう他界された人ばかり・・・。
Commented by cabanon at 2007-07-07 11:29
> ver. さん
妥協を許さぬ哲人系の面々ですね。
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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