藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
コメントありがとうございます。
秋田寛様
コメントありがとうございます。いささか長文になりますので、字数制限のあるコメント欄でなく、こちらに返事を書きます。

ネットの片隅で、ジャーナリストがいささか煽り気味に書いた批判的な意見に対して、真摯にコメントしていただき、器の大きさに感服いたします。

僕が実名で、作家の名前を挙げて批判的意見を書くより、自分に対する批判的意見に実名で対応するほうが数倍勇気のいることだと思います。

当該記事の、onishiさんからのコメントを読んで、「INADA Stone Exhibition」のプロジェクトが、稲田みかげ石の石材業者の方々に喜びを与えてることを知りました。デザインの力だと思います。

今回は事務方との、ボタンの掛け違いがあったようですね。残念ながら、今年の六本木の展示では、著名なデザイナーたちとコラボレーションすることによって生まれた「ものづくりの楽しさ」が、うまく伝わらなかったと思います。次回はガツンとそれを伝えてもらいたいです。

僕はデザインの力を信じています。しかし、信じすぎはよくないと思っています。「3歩進んで2歩下がる」くらいのペースで、デザインの力を世の中に広めていければいい。

今、デザインは広がっています。デザイナーの社会への影響力も大きくなる一方です。しかし、今は前へ前へどんどん進んで、多くのデザイン関係者が、2歩下がることを忘れがちになっているような気がします。

デザインという言葉は濫用ぎみです。3歩進んだはずが、ブームが去ればデザインという言葉は胡散臭い響きになり、3歩下がって進歩なし、ということになりかねません。4歩下がってしまう怖れすらあります。

みんなが前へ前への時に、2歩下がるのは勇気がいります。デザインジャーナリストの役割は、デザインの広がりを世に伝え、さらなる拡大のお手伝いをすることだけでなく、言葉の力で、熱した拡大欲に冷や水を浴びせ、みんなが立ち止まって、考えたり議論するキッカケをつくることだと考えています。2歩下がって、持続可能なデザインの領域拡大を図る──。最後はデザインもアートも科学も工学も総動員して、創造の力で世界を変えたい。

そう思っていますから、ネットの片隅の批判的意見に、立ち止まって、しっかり耳を傾けて、レスをいただけたことに、深く感謝します。ともに力を合わせて、デザインの力を盛り上げられることができれば、とても嬉しく思います。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2008-11-09 00:52 | Comments(0)
<< 地球がひっくり返る直前の光景 iQですか、大賞は。 >>


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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