藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2005年 05月 08日 ( 2 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
近所の宇宙人
わが家に最も近いベストデザインに続いて、同じ柿の木坂陸橋にある「わが家の最も近所のヘンテコなデザイン」です。
何ものにも迎合しない気骨ある画風が心を揺さぶります。手と頭の描写、キレてます。
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-05-08 22:08
 
必要条件って何だっけ?
d0039955_193246.gif数日前学芸大学の古書店で『デザインとはどういうものか』(デーヴィッド・パイ著/中村敏男訳/美術出版社/絶版)を購入して、今読んでます。

そこにこんな文章が──
「いろいろな装置の複雑の原因は究極のところ、そのほとんどが簡便さと経済性の必要条件そのものの中にひそんでいる」

つまり、複雑さの原因は、簡便さや経済性をもたらすってことなのか。簡単に言ってしまえば、複雑さはシンプルさをもたらすってことと解釈していいのか?  それを悩んで、必要条件って何だっけ? 十分条件は? どっちがどっちだっけ?と考えだし、学校で習ったはずだけど、あったま悪りぃと思いつつ、ネットや辞書で調べたりで約1時間格闘しました。

で、必要条件ってつまり……
AはBであるという命題が成り立つと、AはBであるための十分条件、BはAであるための必要条件になります。たとえば、ネコは哺乳類であるという命題が成り立つと、ネコは哺乳類の十分条件。哺乳類はネコの必要条件。「十分から必要に流れる」と考えればいい、と説明していたウェブサイトもありました。

「いろいろな装置の複雑さの原因」が「簡便さと経済性」の必要条件ということは、「簡便さと経済性」は「いろいろな装置の複雑さの原因」である、ってことになります。つまり、シンプルなもの、安価なものを作ろうとすれば、装置は複雑になる。

GUIの設計などはまさにそう。ミースの建築もそう。あんな、単純さの奥底にひそんだ複雑さを予感させる建築はないと思う。ケアホルムの椅子やジャスパー・モリソンや柳宗理の仕事などにも言えそうです。

シンプルなものを作るのに、システムやバックグラウンドまでなにからなにまでシンプルにすることは発想は間違いで、シンプルなものを作るには複雑なシステムを背後に持っていなければならない、ということにもなります。私見を付け加えれば、複雑なシステムだけでなく複雑な思考プロセスだと思います。

ライター仕事でいえば、簡単にわかりやすく書くというのは、ホントその背後の膨大で複雑な事象を調べていないと書けない。複雑さはシンプルさの必要条件というのは経験的にも納得いきます。

まだ50ページしか読んでいないので、この本自体の話はまた後日。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-05-08 19:40


Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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