藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2005年 05月 18日 ( 1 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
デザインの本質?
最近よく目にすることば。
デザインの本質。デザインの力。デザインの原型。
僕も原稿でよく使っています。
自戒を込めて言うと、濫用は避けるべきです。特に「本質」と「原型」の濫用は危うい。

そのうちデザイン原理主義なんてのが出てきそう。「これはデザインじゃない」とか「キミはデザインが分かってないね」とか……。そんな会話が出はじめたら危険の兆候です。
「アートの本質」や「美術の原型」なんて表現の危うさを考えてみればいい。

「デザインの力」ということばは、デザイナーの役割を広く一般に知らしめるために有効で大切なことばですが、それがデザインの本質論と絡み出すと、途端にきな臭くなります。
デザインが“本来”持っている力の、その“本来”って何のことですか?  デザイナーどうしに共通の理解があるのですか。

巷で安易に語られる「デザインの本質」ということばは、雑誌ライター(僕?)が使う、巨匠、名作、有名、傑作、逸品、神髄、聖地のような、読み手の関心を集めるためのことばと考えたほうがいいです。「デザイン真拳奥義!レスイズモア!!」くらいに聞き流しときましょ。

デザインとは「デザインとは何か」と考えつづけることです。「本質」や「原型」は「デザインとは何か」を考えるキッカケです。キッカケは重要ですがキッカケはキッカケです。「デザイン」とは、単一の定義から逃れつづける“動くことば”です。求心的でなく遠心的なものなのです。本質を飛び越え、時に裏切り、原型を解体し、新たな原型を打ち立てる。それが魅力です。僕はそう思います。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-05-18 23:16 | Comments(0)


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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