藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2005年 07月 13日 ( 1 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
息、生き。意気、粋。
息の長いデザインって、いい言葉だ。
長生きのデザインという意味だけど、
「生き」と書かずに「息」と書く。

息とは呼吸。
生命(いのち)のリズムのことだ。

長生きのデザインと書くと、
昔取った杵柄で生き延びているって印象がある。
人間だって長生きすればいいってもんじゃない。

「息」と書くから頑固じゃなくなる。

スー、ハー、スー、ハー。
吸ったり吐いたり。
ゆっくりと、ゆっくりと。
内に取り込み、外に出す。
吐く息を意識すると、長ーく深〜く呼吸ができる。

デザインは息をする。
そのリズムに耳を傾ければ、
そこに対話が生まれ、
誕生の背景や、素材や製造プロセスのこと、
デザイナーの思いが聞こえてくる。

息の長いデザインとは単にロングセラーであったり、
時代の変化や流行に左右されないデザインのことじゃない。
息の長いデザインとは、世の中がどんな変化しても、
人や社会や流行と共鳴しつづけるデザインのこと。

ちょっと古ぼけていても、静かに新しい気を吸って、
じわーと心に響くメッセージを発しつづける。
短いサイクルで「息」することを余儀なくされている現代人に、
「イキ」の極意を教えてくれる。

勢(きお)いあるリズムが「意気」。
洒脱のリズムが「粋」。

デザインの息のリズムに身をゆだねれば、
モノや空間が響きあい、新しい共鳴が生まれる。

だから深呼吸しよう。
スー、ハー。スー、ハー。

****************
最近書いたボツ原稿の再生です。全面的に書き換えて原形はとどめていません。
ボツになったのは僕のせい。頼まれたページを勘違いしてたんです(トホホ)。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-07-13 23:08 | Comments(2)


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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