藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2005年 07月 21日 ( 2 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
ティー&コーヒー・タワーズ
d0039955_14252684.jpgアレッシィの「ティー&コーヒー・タワーズ」がカッシーナ・イクスシー青山本店で展示されている(8月7日まで)。昨日オープニングレセプションに行って早速チェックしてきた。いや〜、写真で見るよりずっと良かったです。

「ティー&コーヒー・タワーズ」は、アレッシィが世界の20名(組)の建築家、デザイナーにティーまたはコーヒーセットのデザインを依頼して、2003年春ミラノサローネで発表したもの。ジャン・ヌーヴェル、ドミニク・ペロー、伊東豊雄、フューチャー・システムズ、MVRDVらが参加。どれも99点限定制作。販売もされているが、目の玉が飛び出るほど高い。最高価格は798万円。一番お安いもので115万5000円。

「ティー&コーヒー・タワーズ」は、デザイン史に残る1983年の「ティー&コーヒー・ピアッツァ」の、20年の時を経た第二弾。前回同様アレッサンドロ・メンディーニが企画を手がけた。
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メンディーニの作品。モリゾー系? 1,942,500円 
外側はペアウッド(梨材)を彫ったもの、内側はシルバー

作品はどれもハジけている。「これぞテーブル上のポストモダン建築」と世界を驚かせた前回の企画が地味に思えるほど。前回は銀器であることが前提で、しかもポストモダンという、時代のひとつの大きなうねりを各建築家・デザイナーが表現していた。一方、今回は“シルバー優先”というお願いがあっただけで、磁器やガラス器をデザインした人もいる。しかも、ひとつの思想が建築界を覆い尽くす時代じゃなくなった。

縛りがなくなった分、個々の創造性がいかんなく発揮されている。建築家にプロダクトデザインを依頼する企画展は、結局やっつけ仕事ばかりが並ぶというケースが多いだけに、彼らの個性を最大限に引き出したアレッシィの力は感服に値する。
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ザハ・ハディッド。絶句……。3,990,000円

ザハ・ハディッドや最高額のトム・コヴァックの作品はどうやって使うのっという感じ。個人的な趣味で言うと、一番欲しいのはジャン・ヌーヴェル、飾るならSANAA、使うならメンディーニといったところ。ま、贅を尽くした製法と素材を見れば目が肥えるし、見といて損ない展覧会です。
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ジャン・ヌーヴェル。金メッキの鏡面仕上げ。
トレイの文字がポットやカップに映り込む。3,255,000円


※カッシーナ・イクスシー青山本店/7月20日〜8月7日
※カッシーナ・イクスシー大阪店/8月10日〜21日

【関連リンク】
カッシーナ・イクスシー。青山本店の場所などはこちらでご確認を。
Alessiのウェブサイト。Tea & Coffee Towersの全容を見ることができる。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-07-21 13:41 | Comments(0)
 
新デザインブランド、METAPHYS(メタフィス)
プロダクトデザイナー村田智明(ちあき)氏による新デザインブランド「METAPHYS(メタフィス)」の記者発表に行ってきた。
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ろうそくの揺らぐ光をLEDで再現した「hono」。
息を吹きかけるとライトが消える。

電子キャンドルや卓上照明、掃除機、パーティション、プランター、マイナスイオン発生器などが10月頃から順次発売されるという。
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コードレスサイクロン掃除機「uzu」。シルバー精工が製造。

中でもサイクロン式の掃除機が気になった。「すごいです。期待してください」と村田氏は自信たっぷり。試用も触ることもできなかったので総合的なデザイン評価は下せないが、見た目だけで言えば、縦置きの佇まいがよい。折りたたみ方、ホースの取り付け位置など機構的にもユニーク。コードレスで、高さ60センチで写真の印象よりずっとコンパクト。値段は未定。「ダイソンよりは安くなるでしょう。量販店の大手メーカーの掃除機よりは高いですが」。

欲しいかも。ちょうど、先週コードレス掃除機を買ったばかりだけど、排気口の位置が悪く、顔に空気が直撃して喉が痛くなって、やっぱサイクロン式だったと後悔していたところなんで。
ビジネス的にもこの掃除機の成否が、このブランドの今後を決めることになるだろう。
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手で触れると点灯する「uro」。器型でモノを置いておける。
メガネなどを置いておくベッドサイドの卓上照明に使えそう。

シンプル&ミニマムで作法や行為をデザインするという点で、「±0」と競合するブランドだろうが、ビジネスモデルとしてはずいぶん違う。「METAPHYS(メタフィス)」は複数の企業が共同参加するブランドだからだ。とすると似ているのはむしろ「WiLL」ブランドか? 
「WiLLはデザイン思想を持たなかった。デザイン思想でブランドをつなぐのがMETAPHYSです」と村田氏は言い切った。トヨタや花王などが集ったWiLLと違い、有名大手企業が参加するわけではない。
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会見する村田氏。

参加する企業はシルバー精工、森田アルミ工業、コスモ建材工業、山口工芸、松屋漆器など、耳に馴染みのない名前の企業が並ぶ。シルバー精工は一部上場企業だが、他は中小企業。規模も業種もまちまちの企業を一人のデザイナーがリードして、ともに研究開発しながらブランドを構築するというビジネスモデルだ。それだけに村田氏の手腕が問われるところ。「次年度は協賛30社以上、50品目を目指す」。実現なるか。

ひとつ気にかかったのが、今のところMETAPHYS専門のショップを持つ具体的計画がないということ。「空気のデザイン」というのをデザインコンセプトのひとつに掲げているのなら、やはりこのブランドが製品が一堂に会したときに発する独自の空気を体験できる空間を作るべきだ。

★7月26日まで五反田の東京デザインセンター1FTDCスペースにてMETAPHYSを展示。11:00〜19:00


【関連リンク】
・METAPHYSのオフィシャルHP
・村田智明氏が主宰するハーズ実験デザイン研究所
・掃除機「uzu」や照明「hono」「uro」の開発を担当したシルバー精工
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-07-21 01:12 | Comments(12)


Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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