藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2005年 08月 31日 ( 1 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
パントンの隠れた名作、みっけ
わたくし20世紀デザインの名作椅子には詳しいです。BRUTUSとかCasaBRUTUSに椅子の原稿、とにかくたくさん書きましたから。しかし収集欲は皆無です。ウチにある20世紀の名作はアーロンチェアだけ。21世紀ものなら柴田文江さんの無印良品《FLEXIBLE SOFA》(いやこれが実にいいんですが、その話はまたいつか)。
基本的には椅子を買うならデザインの本を買う。その姿勢を貫いています。ま、お金に余裕がないってだけの話ですが。

そのわたくしが、えっこんなのあったんだ、と驚いた椅子に遭遇しました。ヴァーナー・パントンのPantoSwing-LuPo
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新宿のOZONEで8月30日まで行われていた「こどものかぐ展」に展示されてました。1998年に亡くなったデンマーク出身のパントンの最晩年の作品。ドイツの学校家具メーカーVS社のためにデザインしたものです。

パントンはこの会社のために4脚のPantoFourやキャスター付きのPantoMoveなどを作っています。PantoSwingはスチールパイプの2本脚タイプです。成型合板のシートがありますが、そちらには興味がそそられませんでした。セブンぽいというかアントぽいというかフツーな感じなんで。

が、ポリプロピレン樹脂製シート「LuPoシェル」がいい。「あっこれは!」とお尻が唸りました。内部が中空になっていてシートがエアクッションになってます。それに加え2本脚がバネとして作用している。カタ柔らかいクッション感が絶妙です。写真だけでは分からない座って分かる名作です。
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学校用だけで使うのはもったいないです。
もし取材で訪れたデザイン事務所の打ち合わせ室にこの椅子が使われていたら、かなり尊敬します。だれもパントンとか気づかないでしょうし。まっさらなポリプロピレンのイームズのサイドシェルがある会議室とか、これ見よがし&貧乏くさくてほんとイヤです。イームズのプラスチックチェアが欲しいならFRP製を探して買いなよ、と思ってしまうわけです。

電話して調べたらOZONEのノルディックフォルムでVS社製品を扱ってました。PantoSwing-LuPoが税抜きで3万3000円だそうです。発注なので入手まで3〜4か月かかるとか。(脚の塗装違いなどあり。価格等詳細は直接確かめて下さい)。買おうかな。
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これは子どもの学校用

【関連リンク】ノルディックフォルムのHP

♪おまけ♯ヴァーナー・パントンのプロフィール
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-08-31 23:48 | Comments(0)


Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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