藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2006年 10月 12日 ( 1 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
この顔はソニー
グッドデザイン賞ベスト15に選ばれたソニーのハイエンド録音機「リニアPCMレコーダーPCM-D1」。GDP2006の会場で見たときから「あっいいな、欲しい」と思っていたけど、まさか大賞候補になるとは思っていませんでした。特別な新しさを感じさせるデザインではないですから。
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操作系のデザインや、テクノロジーがギュッと密に詰まった高性能感が、実にソニーらしい。しかし、他にエントリーされたソニー製品を押しのけ、これが選ばれたことには、審査員からの最近のソニーデザインに対する公式の審査評とは別の、言外のメッセージを感じざるを得ません。「ソニーさん、いろいろ手広くやられてますが、やっぱり原点へ還ったようなデザインがいいですよ」って。

担当デザイナーにとってはうれしい受賞だと思いますが、ソニー全体にとってはちょっと複雑な受賞と言えるかも。僕は、単に形や色の言語を超え、操作感まで含めたソニーのデザイン言語のさらなる進化に期待しています。クリストファー・バングルとかジョナサン・アイブのような、デザイン言語を発展的再構築できる強力なデザイン・リーダーが必要な時かもしれません。20年くらい前に比べて会社が巨大化して、製品の種類とそのターゲットが広がりすぎているから、という言い訳をしていては、ソニーの顔がどんどん薄れてしまいます。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2006-10-12 18:15 | Comments(0)


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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