藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2007年 11月 03日 ( 2 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
間違いなくベスト
今年の東京のデザインお祭り週間。気になるところを回っただけで、全部はまったく見てませんが、言い切ります。この展覧会がベストです。
Deroll Commissions Series 1「箱」展。11/4(日)まで。見に行くべき展覧会です。岡田栄造さんの企画。若手5人の建築家が「箱」をテーマに作品を制作しました。キュレーターと作家の意思疎通がうまくいかないと、これだけ発想が豊かでキリッと締まった作品は生まれないでしょう。キュレーターが作家一人ひとりを深く理解して企画を投げている。依頼された作家は自分をちゃんと理解されていることが分かっているから、緊張感の漲る作品を投げ返す。ワークショップを開いてディレクションしてあげるぞ、という姿勢ではありません。
d0039955_20222950.jpg
中村竜治さんの「虫かご」。光造形で制作。線の細さは光造形で実現できるギリギリの細さだとか。中の黄色の蝶は生きてます。いろいろな角度で見てみると面白いです。
d0039955_20224450.jpg
永山祐子さんの「宝物標本」。8つの透明なキューブが並びます。写真はその一個。「手の届かない場所」が永山さんの建築のひとつのテーマだそうです。5センチ角の透明キューブに「手の届かない場所」が仕掛けられています。
d0039955_2023127.jpg
石上純也さんの「リトルガーデン」。都現美のオープニングで最初に発表された作品ですが、もともとこの展覧会のために制作されたものです。再び都現美へもどりますが、ここで見て、また都現美で見ることをおすすめします。巨大バルーンの対比として見るのと、見え方が違います。どちらも面白い。コンテクストによって意味は変わる。「箱」というテーマの作品が並んだ中で見る、370個の銀器とドライフラワーで構成された作品は、新たな発見をもたらしてくれます。
d0039955_20232489.jpg
岡田さん(手前)がしっかり解説してくれます。解説してもらわないと、分からない作品もあるので、スタッフの方に声をかけてみることをおすすめします。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2007-11-03 21:05 | Comments(4)
 
現代の「畑」2態
d0039955_12264241.jpg
d0039955_12242151.jpg
食のあり方を考えさせられる一週間でした。ふたつの対照的な「畑」を訪ねました。

d0039955_1259421.jpg
トマトを2、3日、天日に干すと味が濃くなり
トマトソースづくりにいいそうです。

月曜日は愛知県へ、ニュータウンの一角の300坪の敷地に畑と雑木林をつくって暮らす津端夫妻を訪ねました。津端修一さんは阿佐ヶ谷住宅など初期の公団住宅を設計した建築家、都市計画家。「キッチンガーデン」のある家こそ住まいの理想と考え、現在、自宅で120種の野菜と果樹を育て、キッチンガーデンで土と植物と暮らす生活を奥様とともに実践されています。取材は2度目でした。昨年の取材以来続いた『CasaBRUTUS』の編集者S氏との津端氏との親交のおかげで、リラックスした雰囲気の中、とてもいい話をうかがえました。1月発売の『CasaBRUTUS』2月号をぜひご覧下さい。

d0039955_1234551.jpg
太陽光を一切遮断。すべて人工光で栽培しています。

金曜日は日帰りで北海道の産総研へ。遺伝子組み換え植物を完全密閉環境で栽培する工場を取材。今年度のグッドデザイン金賞を受賞しています。遺伝子組み換え技術でインターフェロンなどや抗体などを生成する植物をつくり、それらを効率よく栽培することで医薬品を手頃な値段で大量に供給しようという技術。遺伝子組み換え植物の花粉などが外に漏れ出ないように厳重な管理に置かれています。完全密閉型植物工場は世界初だとか。イヌの歯周病を治療するインターフェロンを持ったイチゴが栽培されていました。遺伝子組み換え植物を食べれば病気が治るという時代が来るのかも。こちらは1月後半発売の『グッドデザインアワード・イヤーブック』のための取材。いや〜実に面白い、というか刺激的な取材でした。それが伝わるテキストに仕上げます。

東京ミッドタウン デザインハブで開催中の「ジャパンデザイン2007・ワールドプレミア」(11/25まで)で、産総研のこの植物工場の模型とビデオが展示されています。ほかにも、グッドデザイン大賞、ベスト15など受賞作約40点を見ることができます。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2007-11-03 13:07 | Comments(0)


S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

Twitterもやってます!

*当ブログの奥座敷
KoKo Annex

ライフログ
最新のコメント
以前の記事
カテゴリ
ブログジャンル
リンクについて
当サイトはリンクフリーです。
お気軽にリンクして下さい。

本ブログの記事と写真の
無断複写・転載を固く禁じます。




Copyright 2005-2016 Keiichiro Fujisaki All rights reserved
本ブログの記事と写真の無断複写・転載を固く禁じます。