藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2008年 01月 14日 ( 1 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
ピラミッド校舎
前川國男設計の学習院大学のピラミッド校舎が取り壊されることになり、お別れ会として開催されたウルトラセブンの第29話の上映会&ピラ校見学会に1/13行ってきました。ウルトラセブンの第29話「ひとりぼっちの地球人」にこのピラミッド校舎が登場するのです。建築関係の人は目立つほどではなく、満田監督のトークショー目当てのセブンマニアが少し目立っていて、でも一番多かったのはこの校舎に思いのある卒業生と思われる方々でした。記念写真を撮影する人たちもたくさんいました。
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効率的とは決していえない建物です。使いにくそうです。空間に比べてスクリーンが小さくてPowerPointを使った授業だと文字が見えないと後ろに座った学生から抗議が出そうです。都心の貴重な土地を有効に活用するには、やっぱり高いビルのほうがいいでしょう。

しかし、シンボルとして、共有する記憶として、この場にしかないアイデンティティとして、確実に機能していたものを取り壊す考えには同意できません。

ピラミッドはものすごく非効率的な形態です。最小の材料で何にでも使える最大の内部空間を確保する必要があるなら、ピラミッドは最悪の解答です。しかし最高にモニュメンタルな形態です。設計者も依頼者もそれを承知していたはず。解体はモニュメンタルを志向した先人たちの意思を踏みにじる行為といえます。効率性に左右されない領域で展開するのが学問だと思うのに。それが効率や経済性を考える学問であっても。
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猪木さんがいるわけではありません。解体反対のシュプレヒコールでもありません。ウルトラセブンの満田監督の掛け声とともに、みんなでジュワ! これも記憶です。
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構造的にも面白い建物です。
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セブンは子どもたちへ受け継がれていています。建築は……?

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夜はケネス・フランプトンの講演会へ。クリティカルであることとモニュメンタルであること、そのバランスについて考えさせられました(そんな話じゃなかったけど)。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2008-01-14 01:51 | Comments(5)


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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