藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2009年 06月 27日 ( 1 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
「デザインの骨と皮膜」を終えて
もう24時間以上経つというのに、なんだかまだ緊張感が続いています。緊張というか興奮が収まっていないのです。司会進行役を務めた法政大での公開対談「デザインの骨と皮膜」、無事終えることができました。
山中俊治さん、原研哉さん、本当にありがとうございました!
来場者の方々、スタッフの皆さん、ありがとうございます。
山中さんのブログでも触れていただき、再度感謝です。
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僕は、山中さんの「骨」展と、原さんの人工繊維をテーマにした「Tokyo Fiber'09 SENSEWARE」展は相補的な関係にあると思っています。ともに興味深い独自の世界観を持ってます。しかし両方を見ることで、互いの世界観がまた違った角度から見えてくる。

対談で聞き忘れたことがありました。

映画『2001年宇宙の旅』でモノリスを触った類人猿が道具を使うことに目覚め、骨を武器にし、部族どうしの戦いを始めました。そして高く空に投げられた骨が、宇宙船のシーンに変わる。過去から未来へ一瞬にして場面が転換していきます。

原さんはSENSEWAREを「創造行為を触発する媒質」と定義しています。「Tokyo Fiber'09」展は人工繊維をセンスウェアと捉えて、さまざまなクリエイターに人工繊維による作品をつくってもらう展覧会です。原さんは紙もセンスウェアだといいます。原さんは石器時代の石斧を初めて触らせてもらったとき、そこにセンスウェアを感じたそうです。石の触感が、人類を石で道具をつくることを駆り立て、石器時代という文化をドライブさせたのだと。

その話を聞くと、どうしても究極の創造行為を触発する媒質であるモノリスのことを思わざるを得ません。『2001年宇宙の旅』ではモノリスが人を道具の創造に導く媒質です。そして映画では最初の道具として「骨」が描かれています。それが科学の粋を集めた宇宙船へと進化していく。

山中さんは人がつくりしものの中に脈々伝わる骨の系譜を、それ以前の生物の骨格なども見せることで読み解いていきます。骨は単に構造体ではなく、モノリス体験以降のテクノロジーを表しています。

『2001年宇宙の旅』つながりですよね?って聞きたかったんですが、聞きそびれました。お二方ともあの映画に対するそれぞれの答えを展覧会を通じて探しているような気がして……、そこんところどうなんですかって。

対談の詳細は、9月後半発行予定の『DAGODA』第2号で報告します。ご期待ください。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2009-06-27 23:53


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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