藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
デザイナーズウィークなどなど
Tokyo Designer's Weekと100%Design、それにDesignTide。
何が東京デザイナーズウィークで、どれが100%デザインで、どれがデザインタイドなのか、よく分かりませんし、分かろうとも思いません。が、とにかく東京・青山あたりはかなりデザインで盛り上がっています。だいたい主催者側(作り手)の縄張り(論理)を、見る側(ユーザー)に押しつける時点でデザインとしては失格です。事業部制のメーカーと同じことが起こってます。デザインはオトナの世界の論理を凌駕しないといけないのに。
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100%デザインのチケットを買うの20分も待たされました。なんだか人のさばき方がなってない。でも行列を作ることも盛り上げの演出のひとつだから、ま、よしとしましょう。
100%デザインのテント会場内撮影禁止というのは、意味が分かりません。いろんな人にバンバン撮影してもらって、ブログとか口コミで広まって価値が高まるわけですから。真似されるのが怖いというほど独創的な作品があったとは思えません。だいたい撮影禁止のモーターショーがあるでしょうか。
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といってもちゃんとブースの人に許可を取って撮影しました。いろいろ惹かれるものはありましたが、メディアアートっぽくて面白かったものをひとつ紹介します。fuwa pica。触れると光や色が変化する家具や照明具のシリーズです。写真の六角形のスツール「honeycomb」は、人が座るとクッション内の圧力増加をセンサが検知し、色が変わります。僕が座るとグリーン、隣の人が座るとブルー。真ん中の色がそれに合わせてグリーンとブルーの混じり合った色になる。無線通信で椅子がつながりあってます。ディテールやフォルムの完成度といったデザインはいまいちですが、さりげない「つながり」を演出する仕掛けは21世紀的です。
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コンテナ展では伊東豊雄さんのアルミコンテナに惹かれました。明るいうちはすっぴんの女性のようです。トワイライトになると変貌します。アルミの安っぽさが消えフォルムがキッと引き立ちます。

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今日デザイナーズウィークを見に行ったのは、フジフイルムの堀切さんとauの小牟田さんの対談を聞くのが目的でした。面白かったです。盆栽と空手対決で。お二方ともデザインバカ一代をしなやかに生きる求道者とお見受けしております。インハウスデザイナーは今熱いです。

d0039955_0151342.jpgが、本当のメインはこの方でした。実はルイジ・コラーニ閣下のトークショーがあるとは知らずに会場に行ったんです。ホリ・コム対談に行って初めて閣下のお話がその後あると知りました。
6月の京都での講演の時より話し方に熱がこもっていました。対談相手の喜多俊之さんがコラーニ閣下の「ここを語りたい」というツボをうまいこと刺激していたからです。通訳が困るくらいの熱さでした。「トヨタのレクサスはスーパーテクノロジーだ。だがそれを包むフォルムがいかん。40年前に良いと言われていたデザインのままだ。スーパーテクノロジーにふさわしいフォルム、それはわたくしコラーニのもとにある。だからトヨタで講演して差し上げようと伝えたのだが、トヨタから返事がなくてな。あと三日でドイツに帰るんだが。ハハハ」
相変わらずです。でも、ちゃんと人の心に届くメッセージも語ってくれます。「未来に進むためには過去を見なさい」「この広大な宇宙の中、めったにお目にかかれない地球という素晴らしい環境をもった惑星に私たちは暮らしている。その恩寵を考えるなら、私たちがいま環境問題といった難題に知恵を絞って立ち向かうのは当然の行いなのです」
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コラーニのベビーロボット。ううぅ
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100%デザインに行く前に、Design Tideのイベントとして行われているブラジル大使館のカンパーナ兄弟展を見に行きました。ルイ・オオタケの設計の大使館にカンパーナ兄弟の作品がマッチしてます。
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カンパーナ兄弟の作品はもっと手作りっぽい、土っぽいものかと思ってましたが、かなりソフィストケートされてました。ちょっと意外。会場はこぢんまりしてます。
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カンパーナ兄弟のヴェルメーリャチェア
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ブラジル大使館


が、カンパーナ兄弟の作品以上に印象深かったのがブラジル大使館の隣の原宿教会。今年完成したばかり。CRC(シィエル・ルージュ・クレアシオン)による設計は永遠の時に向かう崇高さと現代のポップの良質な混淆を実現しています。必見。
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-11-05 00:36
 
東京モーターショー
東京モーターショーに行ってきました。
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クルマが人で埋もれてました。

僕のお目当てはトヨタのi-swing。万博に出展していたi-unitを仕事で取材したのですが、それがどんなさらなる進化を遂げたのか、この眼で確かめるためです。
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ステージでのショーを見ただけなので細かい性能は分かりませんでしたが、i-unitに比べより直感的な操作ができるようになっているようです。車体がその名の通りスウィングしたり運動性能も上がっている。ゆっくり走るときは3輪、高速時は2輪走行になります。重心の位置制御で直感的に操ることができるそうです。ということはセグウェイのような倒立振子のシステムを使っているのでしょうか。確かめたい。
他にカタログにはAIを通じて他のi-swingとコミュニケーションができると書いてありましたが、どんなものか見ることはできませんでした。取材したいです。
ウェアラブルなクルマというかインティメートな移動体というか。どこまで進化するか。楽しみです。
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トヨタのブースのデザインは吉岡徳仁さん。空間構成や動線計画という意味でのスペースデザインには何も見るべきものがありません。というより、人が多すぎてさばくのだけで精一杯。そんなところに「わざわざ吉岡徳仁に頼みに来る人が期待するデザイン」を実現しろと言われても無理というものです。リフレクターウォールの不思議な透過効果で「もうひとつの世界」へ広がりを求めたのはある意味正解かもしれません。
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最も美しいクルマだと思ったのはBMWコンセプトZ4クーペ。「白銀の彫刻」というキャッチコピーに異論はありません。
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ホンダの燃料電池車FCXが、近未来のクルマ社会のあり方の最も具体的な提案だったように思えました。独自のパッケージングで低床化され広々としたインテリア。家庭で天然ガスを原料に水素をつくり、それでクルマの燃料も、家庭の電力や給湯もまかなう燃料供給システムの提案──。実現してもらいたい未来です。
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にしても、なんでクルマ好きの人たちは、下の写真のようなイメージが好きなんでしょう。
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ホンダのSPORTS 4 CONCEPT。技術は先進なのでしょうが、イメージとしては時代がストップしています。燃えろいい女? 世良公則&ツイストか? 今なら萌えろいい女で、メイド・コンパニオンとかのほうが、やってくれるなと思ったのに。

マツダのコンセプトカー「先駆」。先駆なのにロゴが時代を逆行していました。
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-11-04 10:48


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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