藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
ふたつの透明感
大晦日も原稿を書いてます。去年は雪でしたね。
デザインの本が机の回りに大量に積み上がってます。崩落寸前です。が、そちらは仕事のネタなので、今年最も聴き込んだCDのことを書きます。透明な闇と明かりの二枚です。

d0039955_12563658.jpgアニメの「モンスター」のエンディングで、デヴィッド・シルヴィアンの曲を聴いていたら、森の中に迷い込んだような、あの暗く透明な声が無性に恋しくなって、9月にAmazonでデヴィッド・シルヴィアンのCDを数枚まとめて購入。中でもよく聴いていたのが2枚組みのベストアルバム「Everything and Nothing」です。アンニュイな声で“I Surrender”と何度も繰り返されると仕事のやる気が完全に削がれそうですが、いやいや逆にゆったりとしたリズムにハマると気持ちよく原稿が書けるんです。「The Good Son Vs. The Only Daughter - The Blemish Remixies」もイイ!これは名盤の領域。

d0039955_125823.jpg特に8月と9月よく聴いていたのが吉村弘の「SOFT WAVE for automatic music box オルゴールの音楽」。1973年/76年の音源。吉村が逝った2003年に発見されたもの。アンビエント音楽です。神奈川県立近代美術館・葉山館で吉村弘展を見た時に購入しました。同時に買った葉山館のために制作した「Four Post Cards」もいいのですが、個人的な好みでいえばこちらの音の心地よさが好き。成層圏まで突き抜けた青空の限りなく澄み切った透明感──。集中力が研ぎ澄まされます。

読者の皆さま、今年は本当にありがとうございました。
ブログに書きたいことがたまってます。正月明け一段落したら書き出します〜。では、よいお年をお迎えください。
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by cabanon | 2005-12-31 13:10 | Comments(4)
 
意識しすぎかなぁ?
広島大学のレストランの入口にて。
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昨日、取材で広島に行ってきました。日帰りです。
行きの飛行機で、隣の席に小さな女の子が一人で座っていました。
「一人? どこ行くの?」とかいろいろ聞きたいけど、なんか声を掛けにくい。長い髪を後ろで結んだ革のズボンの職業不明のオジサンですから。
女の子の世話を託されているようで、仕事の合間にスチュワーデスがチラチラこちらのほうを見ています。だから余計話せません。女の子はゲームをして、僕は本を読んで……。
こういう状況だと、やっぱり親しげに会話なんかしないほうがいいんですよね? 現代社会では。
でもちょっとだけ言葉を交わしました。「着いたよ、よかったね」と言うとニコッと微笑む。8歳、小学校3年生だそうです。僕が横浜・関内駅から大森駅へ初めて一人で電車に乗った年だ。「えらいね」って言って別れました。
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by cabanon | 2005-12-27 18:10 | Comments(4)
 
ドナーカード
夢があります。
年をとったら叶えたいこと。
デザイン、建築、アート関係の開架式図書館を作ることです。

日本には膨大なデザインやアートの洋書が輸入されています。
中には非常に珍しい本もあります。
経費で落とせるから、
書棚が豪華なデザイナーや建築家はたくさんいます。

その人たちに「ドナーカード」を配りたいんです。
亡くなったら本を寄付して下さい、と。

遺族がぜんぜんデザインと違う仕事をしていれば、
本は場所をとるだけの邪魔ものです。
本の価値を分からない人が、
もしブックオフに売ってしまったら、
貴重なデザインの本や雑誌が散逸します。
もったいなさすぎます。

ですから、うちの図書館が引き取ります。

えらくゆるい男が管理する図書館なので、
盗難対策なんかしません。
開架式ですから、自由に気ままに閲覧できます。
寄付してもらってますから同じ本もたくさんあります。
カフェでお茶しながら本を見てもらうのもOKです。

世界中のデザイナー、建築家にドナーカードを配って、
海外からも「あそこには珍しい本がある」と来てもらいたい。

このプロジェクトの実現の成否はとにかくスペースの確保。
場所は都心に限ります。
なるべく多くの人に気軽に利用してもらいたいから。
休校になった小学校とかが狙い目と思ってます。

実行するのは10〜15年後くらいかな。
古本屋の主人気分になるのはもう少し体が動かなくなってから。
雑誌を作るとか、本を書くとか、まだまだやりたいこと多いんで。
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by cabanon | 2005-12-21 22:43 | コモン | Comments(9)
 
テレビ受け
東銀座の日産本社ギャラリーで行われている「THE PERMANENT COLLECTION OF NEW DESIGN PARADISE」展(20日まで)を覗いてきました。フジの深夜にやってる番組「ニュー・デザイン・パラダイス」の展覧会。番組は二回くらいしか見たことありません。

d0039955_2205836.jpgけっこう混んでました。作品は玉石混淆。ですが僕が今まで見たどの作品展とも違ったノリがあるんです。

えらくマジメにいい作品を提案している人もいます。“リ・デザイン展クオリティ”な作品です。廣田尚子さんのティーバッグは商品化してもらいたいと思ったほど。ティーバッグに紙の蓋をつけて、蓋を開けるまで香りをとっとくというのは、使い手への心配り抜群の素敵なアイデアです。少しお高めのフレーバーティーとかのティーバッグにピッタリ。

が、この展覧会の良さは、テレビという媒体の特性を理解した上で、一発芸に徹した人たちの作品です。フォーです。セイセイセイです。テレビですから映像でガツンといかないと伝わりません。

真島理一郎さんの氷のボウリングのピンが割れるシーンは強烈なインパクトです。いい絵です。佐藤可士和さんのカラーの横断歩道とか、森田恭通さんのキラキラハデハデな公衆電話ボックスとか、一発芸が潔い。ADCとかグッドデザイン賞とかだと、一発芸は嫌われます。でも、好かれる場所もあるんです。メディアは使い分けないといけません。

d0039955_2212415.jpg一発芸だけど、会場で実物を見たときに、この人、芸歴積んでんな、細かいことまで気が回ってんじゃんと思わせるのが最高です。そういう意味で印象深かったのは森英恵さんのマスク (ケータイのカメラなので画質が悪くてスミマセン)。白いマスクは着飾ったご婦人には似合いません。機能的で経済的、シンプルで誰でも使えるユニバーサルなデザインですが、所詮、見た目は衛生用品です。ハナエモリのマスクはオートクチュールな刺繍の施され、花粉症に悩む人が増える一方のこのご時世、セレブなマダム?のニーズを抑えています。ハナエモリおそるべし。キシリア様、いかがでしょうか。

おいおい、それはないだろ、ってのもありました。N友さんの地図は杉浦康平氏の「時間軸変形地図」とどこが違うの?と思ったり。犬小屋とか、あといろいろ。
ま、でも、けっこう楽しめました。
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by cabanon | 2005-12-20 02:33 | Comments(0)
 
ひとりごち03
見えない「政治」を暴き出したり、世の中に新しい価値や生き方を投げかけることだけが「闘い」ではなくなってきている。

寛容でありつづけることも「闘い」です。

寛容な批評はぬるい批評ですが、
寛容を実践することは厳しいことです。

人の響きを聴くには心を澄ましてなくてはなりません。
共鳴ってそんなところが生まれるんだと思います。

シンプリシティというのは単一の美を他人に押しつけることでなく、
心を真っ平らな水面のようにピュアにして、他人の響きを待つことなのかもしれません。
ピーンと静かに真っ平ら──その姿勢を保ちつづけるのは試練です。

寛容とシンプリシティ──。

たまたま訪れた前田ジョンさんのブログで、サム・ヘクト氏と会った話を読んでそう思いました。
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by cabanon | 2005-12-16 00:07 | お気に入りの過去記事 | Comments(3)
 
ひとりごち02
批評をとおして、心が通い合える、そんなデザインジャーナリズムを目指します。

いましがたメールを書いてて浮かんだ言葉──。
これがきっと僕のやるべきことです。
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by cabanon | 2005-12-14 23:46 | お気に入りの過去記事 | Comments(8)
 
ひとりごち
「寛容」こそ民主主義の要だと信じています。

他人の自由や平等を認め、対話を重んじ、共に生きる知恵を育むことは、すべて「寛容」の精神から生まれると思っているからです。

インタラクションデザインは「対話」
ユニバーサルデザインは「平等」
エコロジーデザインは「地球環境との共生」

それぞれ私たちが暮らす社会の基本的な価値を表すものです。

寛容のデザインとは何でしょうか?

「寛容」は「戦争」の反対語です。
イラク戦争中でも平和なアメリカ。
現代では「平和」が「戦争」の反対語ではありません。

なんか最近、社会が寛容さを失ってきているような気がする。

「下流社会」なんて哀しいタイトルです。
上から見てるから下なんです。

いつかまた、アンタッチャブルな階層でも作る気なのでしょうか。

ユビキタス社会だって──寛容なきユビキタスは地獄です。
ジョージ・オーウェルの「1984」ですから。
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by cabanon | 2005-12-13 20:21 | お気に入りの過去記事 | Comments(2)
 
リーディング・エッジ・デザイン展
いい展覧会でした。山中俊治さん率いるリーディング・エッジ・デザインの展覧会「MOVE」。最終日の日曜、スパイラルに見に行きました。
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展覧会はプロトタイプだけを10種集めたものです。プロトタイプの展示といえば、ふつうガラスケースに向こうに大切に置かれていて、絶対触るなオーラを漂わせています。しかし、触ることができます。触れなくても動かしてくれます。スタッフが仕組みや使い方を丁寧に教えてくれます。これなら会期がたった3日間というのも仕方がありません。説明してくれたのはボランティアの学生さんだというし、不特定多数の人が使うわけですから故障とかあるでしょうし。

ずっと使ってみたかった日本語入力機「タグタイプ」を触ってきました。家庭用テレビゲーム機のコントローラーのような形で、両手でもって親指を使って日本語を入力する装置です。展覧会で試用したのは最新版の「タグタイプ・ガレージキット」。思った以上に使いやすい。すぐに使い慣れることができそうです。最近僕はキーボードの打ちすぎで慢性的に右手の小指にしびれがあります。通常のQWERTYキーボードのような、日常生活であまり使わない小指や薬指に負担のかかる入力法というのはやはり間違っています。親指はもっと使われるべきです。
*Link/タグタイプ・ガレージキットに関する資料。注!pdfファイルです。

8輪駆動電気自動車「ハルキゲニア 01」のデモでは、山中さん本人が観客に解説してくれました。テーブルの上で5分の1試作車がクルマの概念を変えるさまざまな動きを披露します。8つの車輪それぞれに4つずつモーターが付いており、車輪を回転させるだけでなく、車輪を上下させることができます。だから車輪で歩きます。王蟲みたいな感じです。また、前後に動く4輪と左右に動く4輪を使い分けることによって、縦列駐車が簡単にできます。
ジャイロセンサーを腕に装着し、手を前後左右に曲げることによって運転するデモも行われました。このジェスチャーによる運転プログラミングは展覧会初日から会場で組みはじめ、本日初めてデモするというものでした。
デカいクルマだと思っていたら、マーチくらいの小型車を想定しているそうです。スケボーみたいにして遊んだり、車椅子とかにも使えそうだなといろいろな想像が膨らみます。うん、面白い。
*Link/WIND RIVERのサイト内のハルキゲニアのHP

Suicaの自動改札の展示も面白かった。カードを当てる部分に緩やかな傾斜を付け、グリーンのLEDが光る丸い輪を加えたのがリーディング・エッジ・デザインの仕事。実験ではいろいろな形態が試され、たとえば最初は円形のくぼみを作って注意を引こうとしたが、実験では良い結果が得られない。どこにカードを当てていいか分からないオジサンがいる。人が改札を通過する0.2秒の間に、直感的にあっここにカードを当てればいいのかとサッと理解できる形をいかに作るか。いわば0.2秒のインターフェース。そのトライ・アンド・エラーの過程がビデオと実験に使った模型で分かりやすく展示してありました。

会場にいた山中さんに話しかけてみました。8年くらい前の「日経デザイン」の取材以来です。その時、ちょっとした行き違いがあって、山中さんにインタビューしたものの、原稿には彼のコメントを全く使わないことに。僕の強引な取材依頼のせいだったかもしれませんが、けっこう僕もムッときたことあり、それ以降、山中さんの仕事は気になっても、遠目で眺めるだけでした。

話しかけようかどうしようか。覚えてないかも。いろいろ思いましたが、展覧会が素晴らしかったんで、声を掛けてみました。

丁寧に展覧会のコンセプトを語って下さいました。
いろいろな方々の協力を得ていけば、こうした先端テクノロジーを利用したモノづくりが自分の会社のような小さな組織でも実現できる。巨大インダスリーの中でするのとは違う、技術とデザインの先を見据えたモノづくりのもうひとつのあり方を示したかった云々と。

何の取材か忘れたけどなんとなく顔を覚えているライターさん、という感じで話していただいたのかもしれません。でも、山中さんの語りからも、展覧会の内容からも、人に伝えたい、感じてもらいたい、触れてもらいたい、直接対話したい、という意思が強く感じられ、気持ちよく帰りの銀座線に乗ることができました。
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by cabanon | 2005-12-11 23:21 | Comments(2)
 
セミナーの後に思ったこと
トーク二連荘でした。金曜日は金沢美術工芸大学で講義、土曜日は秋田道夫さんとのセミナー。金美では「攻殻機動隊とユニバーサルデザイン」というテーマ。攻殻を映画もTVも全部観たという学生と講義のあと、けっこう熱く話し込んだのですが、その学生によると何を言っているのか分からないと思った人もいたとのこと。話を詰め込みすぎたかも。

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そして昨日は秋田さんとのトーク。対談とは書きません。「秋田道夫」というデザイナーの根っこの部分を引き出すのが僕の役目でしたから。ほどよく引き出せたと思っています。

秋田さんのことばには、デザイナーとしての自信が漲っていました。
見えない何かが見えている。それをかたちにできる方法を会得している──そんな自信です。

秋田さんが求めるかたちはshapeではなく本来的な意味でのformです。「形態」でなく、アリストテレスの言う「形相」という意味での「フォルム」です。システムであり、デザイン言語のレベルであり、菊竹清訓氏の三段階デザイン方法論「か/かた/かたち」で言えば「かた」です。

「か/かた/かたち」とは、理論物理学者の武谷三男が提唱した認識論の三段階「本質/実体/現象」を建築デザインの世界に応用したものです。量子物理の世界では、電子は粒子としても波動としても観測されます。電子は実体であり、波や粒子は現象です。

いまプロダクトデザイン界では、“現象としてのかたち”のプロフェッショナルはあまた存在します。絵がうまいとか売れるデザインを作りましたとか、そのレベルの自慢なら聞き飽きています。

いわゆる有名デザイナー・建築家の多くは、現象としてのかたちを超えて仕事をしています。工学技術やコンピュータ言語、もしくはマーケティング理論やブランド構築を深く理解し、科学や経営学の知見をかたちに落とし込む術を会得しています。かたちの実体論レベルは科学であり経済であるといった考え方です。

かたちにはかたちの実体論レベルがあると認識してその世界を追い求めているデザイナーは希少種になりつつあります。かたち(shape)の上にあるのは、構造や機構やビジネスモデルといった次元だけではない。かたち(shape)の上にかたち(form)がある。言い換えると、かたちの奥底にかたちのことばがある。そこは、マレーヴィチやモンドリアン、カンディンスキー、クレー、ブランクーシ、ドナルド・ジャッドといった人たちが探っていた「形相」という意味でのフォルムの世界です。

フォルム/かたちのプロの本来見据えるべき世界に自分が両脚でしっかり立っている。回りを見回してもそんなデザイナーぜんぜん見当たらない。その自負が秋田さんの自信の背景だと、僕はそう思うのです。
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といっても、聞きようによっては自意識過剰だろ、と突っ込みたくなる発言もありました。自分のこと、カッコいいとまで語ってましたから。でも、それを慢心だとかイタイと受け取った人をあの会場ではほとんどいなかったと思います。

トークが終わって、何故なのかなあ、と考えました。

あれは自慢ボケです。諧謔です。だからホントは僕がすばやくツッコミを入れなくてはなりませんでした。しかし大阪出身の人のボケの合図に即座にツッコミを入れてサラリとイジる反射神経を僕は持ち合わせていません。でもその合図は会場の人たち全員が感じていたと思います。みんながそれぞれ、おいおい、オッさん、そこまで言うんかい、と思って聞きながら、ツッコミを待っている秋田さんの懐の中に入っていく。トークのテンポの良さはそこから来ていたと思います。

かたちの可能性を語ることはデザインの可能性を語ることです。秋田さんはちょっと変わった諧謔を交えて、それを熱心に説いていたから、あれやりました、これやりました、だけの自慢トークなんかに聞こえなかったのだと思います。

土曜日、お越しいただいた皆様、ありがとうございました。
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by cabanon | 2005-12-11 13:30 | Comments(5)
 
やっぱりロボットは面白い。
2005国際ロボット展のレポートです。
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今回、最も興味深かったのは、広島大学大学院生体システム論研究室のサイバネティック・ヒューマン-ロボット・インターフェース・システム「CHRIS(クリス)」。上腕部に電極を付け、筋電を検知し、手の動きによって車椅子や部屋の中の電気製品の操作を行ってしまおうという試みです。車椅子の埋め込まれたノートパソコンのディスプレイを見ながら、手首を上げたり下げたり左右に傾けて、ジェスチャーで操作します。
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車椅子の横に置かれた液晶テレビの映像に驚かされました。手を失った男性が、筋電でロボットハンドをリアルタイムに操作します。
腕や脚を失った人には腕や脚のイメージが残っています。ファントムリム(幻肢)ってやつです。この実験では、上腕を失った被験者が、手でボールをつかむことをイメージして筋肉を動かすと、腕の残された部分に付けた電極が筋肉の発する電気を読み取り、隣に置かれたロボットハンドが見事にボールをつかみます。機械が人間の生体の延長線上に直接ジャックインされるわけです。他にも顔の筋肉だけで機械を操作するといったう映像も流れてました。

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筑波大学山海研究室の「ロボットスーツHAL-5」。パワードスーツもここまでスマートになったかのと感慨がこみ上げてきました。1968年にGE社が試作したハーディマン(Hardiman)と比べてみて下さい。40キロのものをほとんど力を使わず持ち上げることができるそうです。デザインは某社のインハウスデザイナーが担当。どこの会社の方なのかは教えてもらえませんでした。

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これ、注目です。
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産業技術総合研究所(産総研)知能システム研究部門の「乗車型移動プラットフォーム」。倒立振子の原理を使っています。が、セグウェイのようにハンドルがなく、体重移動だけで操縦できるのが特長。時速6キロ。リチウムイオンバッテリーで動きます。10人中8人はすぐに乗りこなせるとのことです。走行性能を上げればスポーツなんかにも使えそうだし。カッコいいネーミングを期待してます。ただ普及にはセグウェイ同様、法整備が必要だとか。 Link/開発者松本治さんのHP

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産総研の開発したアザラシ型ロボット「パロ」。また、ぬいぐるみのコミュニケーションロボットか、と思って関心がなかったのですが、世界で最もセラピー効果があるロボットとしてギネス世界記録に認定されたと聞いて触ってみました。
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バカにしててスミマセン。かなりのもんです。表情がとても豊か。ヒゲを触るといやがったり。確かにこれなら動物とか持ち込めない病院で癒し効果が発揮できるでしょう。う〜ん、でも製品としてヒットさせるには何かが足りないような。キャラかな。価格は35万円。まだ業務用ですね。 Link/産総研のプレスリリース。

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日立の有機アクチュエータ。電気信号を送ると熱膨張で伸長する導電性有機材料が、柔らかで軽やかな動きをします。有機材料だから有機アクチュエータなのですが、自然なオーガニックな動きをするという意味でも「有機」かも。d0039955_13325568.jpg工場で働く産業用ロボットは人の世界より速い時間の流れの中に住んでいます。家庭用ロボットは人と同じ時間の流れの中に暮らすことになるでしょう。でも、もしかして人の世界より、もっと時間がゆっくり流れる世界に住むロボットがいてもいいかもしれません。有機アクチュエータのゆるやかで優美な動きを見て、そんなことを感じました。

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パトレーバーな自律型ヒューマノイドが似顔絵を描いてました。産総研と川田工業が開発したHRP-2の外観デザインは出渕裕さん。奈良先端技術大学院大学が、HPR-2を使って画像認識のデモンストレーションを行っていました。人の顔だけ認識し似顔絵を描くというもの。技術的には高度なのでしょうが、ロボットの外観とやっていることが釣り合っていません。と言ってベレー帽をかぶせるのもなんだし。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-12-05 13:49 | Comments(0)


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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