藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
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天才コロンボ
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ジョエ・コロンボのアラーム時計「オプティック」がカッシーナ・イクスシーから復刻されます(発売日は未定とのこと)。1970年のデザインで1988年アレッシィが復刻。しかし10年くらい前に廃盤に。遅すぎるくらいの復刻です。5250円で昔より安くなってます。乾電池式からボタン電池式へ。ムーブメントが変わり、背面の操作系も違うものになってます。でも買おう。

で、10年前に書いたジョエ・コロンボ(JOE COLOMBO)論をアップします。長文です。初めてイタリア文化会館の図書室に行ったもの、当時ほとんどなかったコロンボの資料を探しに行くためでした。
1996年『BRUTUS』3/15号が初出。だいぶ手を入れています。文章は固め。というか、今読むと「力もう少し抜いたら」という文章ですが、肝心なことはしっかり書いてあると思います。

【さらに読む】
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by cabanon | 2006-03-30 00:46 | Comments(4)
 
春の解体現場
度肝を抜かれました。いくら春だからって……。うるさいし、ホコリはたつし、周辺住民にとって迷惑ばかりの解体作業だから、見た目だけでも親しみあるデザインにしたかったのでしょう。だからといってピンク? 水玉? その発想と勇気をたたえます。本日恵比寿にて。
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by cabanon | 2006-03-28 20:00 | Comments(2)
 
桜とイタリア文化会館
ほら、そんな合わないわけじゃありません。午後1時で逆光になりかけてて赤が陰ってますが、千鳥ヶ淵の桜にも緑にも溶け込んでます。
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北の丸公園からイタリア文化会館を望む。
イタリア文化会館の赤について10日前に書いた記事
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by cabanon | 2006-03-28 19:40 | Comments(2)
 
係留
基地の町では平和の光景が少し違います。後ろは海上自衛隊護衛艦「はたかぜ」「きりしま」。重なって停泊中。横須賀にて。
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by cabanon | 2006-03-28 01:18 | Comments(3)
 
サザエさんちの黒電話
久々にサザエさんを見ました。おそらく10年以上ぶりです。いつのまにか昭和回顧番組になってるんですね。

サザエさんちはダイヤル式黒電話です。イクラちゃんちがクリーム色のプッシュホンだった(4/30の放映ではピンクの布カバーをした黒電話に変わっていた。5/1追記)。タラちゃんの友だちの若いお母さんは割烹着を着てるし、カツオとワカメの部屋は畳の上に学習机。テレビは家具調。照明は格子柄の和風ペンダント。洗濯機は一漕式の全自動。番組中に流れた東芝の斜めドラム洗濯機のコマーシャルとえらくギャップがあります。

Wikipediaによると、携帯電話が登場しているみたいです。が、今日はイクラちゃんのおかあさんとサザエさんは固定電話で話してました。今どき主婦はケータイでしょと一瞬思いましたが、そう、もはやサザエさんの世界は「今」じゃない。少なくとも20年くらい時間が止まってる。きっと東芝の最新家電を一式揃えると、もはや「サザエさん的世界」が成立しなくなるのでしょう。

近所の人がガラガラと戸を開けて勝手に入ってきたり、縁側が友だちとの交流の場になってるのが「サザエさん的世界」で、玄関の鍵は指紋&虹彩認証で監視カメラも設置したセキュリティ万全の住宅では磯野家が家庭崩壊しそうです。ネット注文だと三河屋さんの立場も微妙になるでしょうし。そもそも考えてみれば、サザエさんほど大画面ハイビジョンで見る必要のない番組はありません。

かつて東芝にとってサザエさんは家電のある暮らしを描いて消費を促す番組だったはずです。明るい家庭に必要なのは蛍光灯。一家団欒の場には必ずテレビ──。しかし今は最新家電のある暮らしの夢をみんなで見る番組じゃなくなっています。

サザエさんは家電の家(か)の番組です。電(でん)を伝える役割は終わっています。東芝にとってみれば、家電こそ「家」の絆のシンボルだというメッセージさえしっかり伝わればいいのでしょう。つまり、サザエさんはモノを売る番組から、企業文化を伝える番組に進化している。私どもは電気製品を製造することで、家族の絆を育むお手伝いをしてきた企業です、と。

ですから、無理やりユビキタス・サザエさんとか作る必要はないのでしょう。ま、モダンリビングな磯野家だと、波平以外全員髪型も変えないといけないでしょうし。そうなるとみんなキャラまで変わりそうです。
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by cabanon | 2006-03-26 21:03 | Comments(5)
 
千鳥ヶ淵の赤い彗星
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どんなにヒドい赤なんだろう、と思って、野次馬気分で見に行きました。イタリア文化会館。「千鳥ヶ淵の緑や桜にそぐわない」と住民が署名を集め、小池環境相に提出し、大臣も理解を示したと3月15日のYOMIURI ONLINEが報じていました。このビルの設計をディレクションしたのは、駅舎を改修したオルセー美術館の設計で知られるイタリアの女性建築家、ガエ・アウレンティ。この赤は漆器の赤とのことです。

いや、別にぜんぜんヒドくなかったです。きれいです。青緑の透明ガラスとつや消しの赤の壁面の対比がえらく美しい。

d0039955_0233288.jpgただ反対する住民の気持ちはわかります。このビルの向かいに二松学舎大学があるのですが、教室の窓からこの狂おしい赤を見たら、そりゃ落ち着きません。しっとり国文学の授業をしていると、西日が反射してきて教室が赤色に染まったらハッハッしちゃいます。

でも「千鳥ヶ淵の緑や桜にそぐわない」というのを理由にしているのが気になりました。この赤は、ピンクやグリーン、それに空のブルーにマッチするはずです。問題はそこじゃない。隣のビルで仕事したり学んだり暮らしたりする人たちに、窓ごしに毎日見えるこの赤い壁面がどんな心理的影響を及ぼすかです。これはちゃんと考えなくちゃいけない。この問題を、皇居のほとりの日本の聖地で外国人が勝手に目立つことやっちゃイカンみたいな話にすり替えないでほしい。

隅田川沿いなら金のウンコもOKですが(僕はあれ好きですけど)、千鳥ヶ淵に面しているだけで「赤」は許されないようです。慰霊の地の桜の名所。靖国と皇居をつなぐ場所。この地の赤は漆の赤なんて呑気なものに見えないのでしょう。

鮮血です──。千鳥ヶ淵周辺には血に塗られた記憶がたくさんに張り付いています。日の丸も赤でしたね。この地の赤が幸福の赤に見えるようになればいいのですが、まだまだ時間がかかりそうです。

桜が咲いたらもう一回見に行きたいです。今度は午前中、東の光が当たるときに千鳥ヶ淵側から見てみたい。桜との相性を見てから賛成・反対を論議してもいいじゃないですか。エッフェル塔だって最初は大反対されたのだから。もしかしたら愛される建物になるかもしれません.
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つぼみはかなり膨らんでました。もうすぐです。
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by cabanon | 2006-03-18 00:28 | Comments(9)
 
冗長性を論ずる
d0039955_12144969.jpg本日発売の『美術手帖』4月号に2本原稿を書きました。山中俊治さんのインタビューと、「身体のリダンダンシーとしてのサイボーグ技術」という原稿です。

昨年スパイラルガーデン(雑誌のリードにはスパイラルホールと記されています。ここが1週間前の投稿で書いた追加訂正したかった箇所。僕の勘違い、申し訳ありません)で行われた山中さん率いるL.E.D.によるMOVE展が本当に良くて、今回特集に関して美術手帖の編集の方から相談があったときに、ぜひインタビューしたいと話して実現したものです。心を込めて書きました。

もうひとつは冗長性=リダンダンシーの話です。冗長性をいかにデザインするかこそ、21世紀のデザインの最大の課題だと思っています。山中さんのインタビューでも最後のほうは冗長性の話になりましたし。この原稿では、建築、コンピュータシステム構築、プロダクトデザイン、ウェブデザイン、サイボーグなどを縦断して冗長性を論じてます。僕の最近のデザイン論の総括といっていいものです。

冒頭だけ載せておきます。

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実用性を追求し徹底的に無駄を省いたシンプルな形に美が宿るという機能美神話はかなりの部分、幻想にすぎない。姉歯マンションは耐震構造が劣っていようとも、そのことはまったく外観に影響を与えていない。免震マンションが丈夫に見えるわけでもなく、姉歯マンションがか細く見えることもない。姉歯元建築士や東横インの社長が「だってレス・イズ・モアだから」って語ったら、モダニズムの神様はどんな思いをしただろうか。
「わしゃあそんなつもりでああ言ったんじゃない」。ミース・ファン・デル・ローエならギロリと睨みを利かせて語る。「バルセロナパビリオンやトゥーゲンハット邸に使ってる柱は知っとるか。ピッカピカのクロームメッキの十字柱。あれのどこがレスなんじゃい。ニューヨークのシーグラムビルではスチールより高価なブロンズをマリオン(窓の桟)に使っておる。21世紀風に言えばリダンダンシー。冗長性じゃよ」……なんて。
 冗長性は愚鈍でない。変化に対応するしなやかな適応力である。削ぎ落として冗長性を美しく際立たせる神業がレス・イズ・モアだ。美しい冗長性を機能美だと勘違いしている人たちが多すぎる。

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つづきは『美術手帖』4月号で!!

このあと話はカラトラバや東証のシステムダウン、RAID、ecotonoha、±0の傘、ミケランジェロ、筋肥大、攻殻機動隊と来て、パワードスーツや筋電義手などのサイボーグ技術の話に至ります。8300字くらいの長めの原稿。冗長性の美を語っているのに、その文章が冗長なのは最悪ですから、長いけど読みやすくなるように気を配っています。

ブログで膨らませてきた思考がずいぶんこの原稿に役立っています。読者の皆さまに感謝します。
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by cabanon | 2006-03-17 12:17 | Comments(2)
 
祝! 新連載
d0039955_10295119.jpg忙しくて報告が遅れましたが、3月1日発売の『AXIS』で連載を始めました。この表紙、この密着、カンパーナさんは兄弟だから考えすぎないようにしたいのですが、つい、あれやこれや──つーうことは、どうでもよくて、連載のタイトルは「未来技術報告」。主にロボット、情報通信、VR、ヒューマンインターフェースなどの先端テクノロジーの研究開発現場をレポートします。人と機械、人とコンピュータ、人と情報との関係に今何が起きているのか。科学者や工学者が見据える未来像の中から、21世紀のデザインが進むべき道のヒントを探り出します。

昨年春休刊した『Design News』で1999年から連載していた「Tech X──最先端テクノロジー探訪」の発展形です。当初は「TechX Z(ゼータ)」というタイトルにしようと考えたのですが、「過去は引きずらず、装い新たにやったほうがいいよ、藤崎さん」と『Design News』の山田元編集長にアドバイスされ、ま、Zをゼータと読んで第2弾だと理解できるのはガンダム好きだけかも、ということもあって、心機一転、充実度150%アップの心意気で始めることにしました。

といってもお気に入りだった「Tech X」というタイトルに引っ張られて、いいタイトル案が浮かばず、結局わかりやすさ優先で「未来技術報告」という平凡なタイトルになりました。しかしデザイナーの谷津田さんがナイスなロゴを考えてくれて、ページにしっくりハマっています。お堅い漢字をつなぐクネクネラインがいい感じです。
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伊藤愼一さんの写真もすばらしい。工学系研究室って写真家泣かせなんです。機械の部品やパソコンやソフトのパッケージ、本やアニメキャラのマスコットなどが散らばってて。ロボットもコードむき出しで、ガムテープで留めてあったりとか。きれいに撮るのは難しい。伊藤さんとはもう3回取材をいっしょしましたが、いつもこう来るか、こう撮るか、と唸らされます。
ホントいい方たちと巡り会えました。

初回は広島大学大学院生体システム論研究室の辻敏夫教授にお話をうかがい、筋電で義手や車椅子ロボットを動かすサイバネティックス・インタフェースの研究を見せてもらいました。面白いです。人と機械が融合するサイボーグ技術の最先端、いや21世紀の身体論の最前線でもあります。

デザインとテクノロジーの関係を追う仕事は、生涯続けていきたいテーマです。いま次号の原稿を書いてます。まだヒミツですけど、これもかなり面白いです。
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by cabanon | 2006-03-16 10:44 | Comments(0)
 
品がありません
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なんなんですか、この怪文書みたいなデザインは。
謝罪広告なんでしょ?
本日の朝日新聞朝刊を見て、開いた口が塞がりませんでした。

こういう時こそ、襟を正したデザインが必要です。

行間が詰まりすぎ。余白を使うという意識が皆無。ワープロのプリントアウトそのまんまという感じです。謝罪広告という難しい広告なのだから、見識の高いデザイナーを起用してほしい。べつにもっとオシャレにしろとか言っているわけじゃありません。いかにもデザイナーがデザインしました、というのはかえって逆効果です。

しかし、背筋をピンと張って、一字一字心を込めて手書きした謝罪文に匹敵する、文字レイアウト(タイポグラフィ)はできるはず。抑制を利かせたり、誠意を伝えるのもデザインです。

都合のいいときだけ、いかにもデザインしてますって広告を出すなんて最低です。こういう時こそ「品性」が問われます。デザインは品性を表現する力です。
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by cabanon | 2006-03-15 10:41 | Comments(10)
 
エリクサーください
昨日ひと仕事が終わったのですが引き続き原稿書きがたまっています。ひどく不規則な時間に寝たり起きたりしてたので本日は頭がボーっとして集中力が出ない。

散歩がてら、督促状が来てた住民税の支払いに区のサービスセンターへ。しかし窓口の職員に「3期分も未納ですね」との指摘され、結局、用意していった4期分の現金は3期分の支払いに。4期分は支払えず、ああ、また出費かよと、どんよりした気分で帰宅の途へ。

ケータイが鳴る。出掛ける前にメールした原稿の追加訂正がもう直せないとのこと。17日発売の月刊誌で原稿を送ったのは昨日。で、その日のうちにちゃんと校正もしたし、直せないのが当たり前ですよね。さらに気分は落ち込んで、ライフゲージが黄色くなる。

d0039955_2014459.jpgで、ローソン行って「ポーション」を購入。200円。高すぎ。でも2本買う。商売上手だな。薬草味というか、苦みを消したブルーキュラソー味。色も同じだし。カクテル向きかもしれません。
効き目? ポーションじゃダメです。無駄に経験値が上がってますから、HP100はあっという間に使い果たしてしまいます。ハイポーションとかエリクサーが必要のようです。焼酎甲類、配合してみます。
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by cabanon | 2006-03-09 20:08 | Comments(6)


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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