藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
IKEA 01
イケア港北(横浜)のエントランス前のバス停にて。冬の夕暮れに 1脚790円の子供用スツールが、春の訪れを感じさせてくれます。
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地震が来たらどうするんだろ?って、二組のお客が立て続けに話してました。日本ならではの反応でしょうね。
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by cabanon | 2007-02-28 21:07 | Comments(0)
 
『インターコミュニケーション』 デザイン/サイエンス特集
『InterCommunication』No.60 Spring 2007 (NTT出版)に、「冗長美とは何か?──本当のポストモダニズムへ」という論考を寄せています。昨年『BT/美術手帖』に書いたリダンダンシーに関する論考の発展版。今回は「機能美」と「冗長美」の違いを論じています。「最高」のパフォーマンスを引き出すことが「最適解」であった機能美から、多元的な価値を共存させる「最適」を求める冗長美へ──という話です。

///////冒頭部分だけ///////
「最適化」は私たちの社会の美徳である。最適化とは、ある制約条件下の中でもっとも機能する解を探し出すこと──。都市の最適化は「開発」「再開発」である。ただし環境問題という制約が年々大きくなる中、スクラップ・アンド・ビルドの開発だけを最適な解とする考え方は変わりつつある。会社の最適化は「リストラ」である。解雇という意味ではなく、組織の再構築という本来の意味でのリストラだ。教育は子どもたちを社会の構成員として最適化し、選挙は権力者のアップデートを繰り返す。コンビニの商品棚はPOSシステムによって常時最適化されつづけ、ケータイも家電も買い替えを迫られ、コンピュータはハードディスクの最適化を実行しなければならない。世の中のあらゆるシステムが最適化を繰り返している。
デザインは、最適化のテクノロジーのひとつである。モノ、空間、メディアを「システム」として捉え、目的を定め、制約を見出し、最適解を作り出す。……(以下は雑誌でお読み下さい)

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この号は、「山中俊治×茂木健一郎」の対談がえらく面白いです。博識同士の対談というのは、書き原稿にないスリリングな展開があって、読み物として実にいいもんですね。
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by cabanon | 2007-02-28 12:35 | Comments(0)
 
憩いのスペース
この灰皿、色も形も、かつてはものすごく未来的デザインだったかもしれません。R2D2的な脱力感があります。
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にしても、森永ハイクラウンチョコレート。クランチ味が好きだったなあ。タバコ型パッケージで、大人の気分になれました。そういえば、チョコ自体がタバコの形をしてて、巻紙が巻いてあるシガレットチョコレートなんてものあった。今じゃ子ども向きお菓子としてはありえませんね。千代田区にて。
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by cabanon | 2007-02-25 22:44 | Comments(0)
 
球春間近
早咲きの桜のように、野球には春を感じます。野球が日本で受ける理由って、おそらく四季を感じさせるスポーツだからでしょう。
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by cabanon | 2007-02-24 22:18 | Comments(2)
 
NPO (Non-profit Oshigoto)
d0039955_144056.jpg今月半ばに発売になった『世界に誇れる日本の芸術家555』(PHP新書)に執筆しました。1930年から1980年代まで、絵画、版画、グラフィックデザイン、イラスト、絵本、マンガ、アニメ、映画、写真などの分野で活躍した、平面・映像系主要作家555人を解説した小事典です。15人の筆者が分担して、1項目400字弱で作家解説をしています。僕は、27人のイラストレーターについて原稿を書いてます。

いや、これがえらく大変な仕事でした。イラストレーターに関する資料は少ないんです。桑沢やアサビの図書室や都立図書館で資料探しをしました。1項目原稿料2000円なのに、コピー代もかかるし、柳原良平と中原淳一の作品集は買っちゃうわ、風間完や南伸坊のエッセイ集を図書館で読み込んだり。

雑誌『イラストレーション』のバックナンバーにまとまった個人特集があると、ずいぶん助かりました。それと、同誌に連載した記事をまとめた『仕事場対談—和田誠と27人のイラストレーター』 (河出書房新社)が最高の資料でした。イラストレーションに携わる人、携わりたい人には、とてもタメになる本でしょう。和田誠ならでは、話の引き出し方にうっとりします。──あっ、他の本の宣伝になってしまった!

話を元に戻すと、イラストレーションの世界は、絵画やマンガや映画のように批評が確立されていないので、作品を語る言葉をいちいち自分で編み出していかなければならない。図版を入れないで、イラストレーターの仕事を解説するのは至難の業です。小事典ですから、原稿の基本はどんな仕事をしてきたかという略歴ですけれど、その間に、作品世界を解説する言葉を差し入れる。そこが難しく、面白くもあったところです。

伊坂芳太良(よしたろう)の仕事を振り返ることが出来ただけでも、僕としては大きな収穫でした。伊坂が66年から手がける紳士服のエドワーズの広告の仕事は、ホント先駆的です。ポスターやショッピングバッグだけでなく、トランプからカレンダー、マグカップなど、すべて彼の独特のイラストで埋め尽くし、二次元も三次元もメディア化してしまう。そうした意味では現代の佐藤可士和などにも通じるし、イラストとグラフィックの境界を行き来するという意味では、寄藤文平などにも通じる。そこまで詳しく、この本には書きませんでしたが……。

編集のS田さん、ご苦労様でした。
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by cabanon | 2007-02-23 15:10 | Comments(5)
 
シブヤがカシワ
渋谷が佐藤可士和のケータイの広告でいっぱいでした。撮ったのは2/16(金)です。Smapの広告から佐藤可士和がお得意とする、色ベタ広告です。今回は白、ピンク、黄、濃紺の4色。前の手法は受け継いでいても、今回は二次元の色ベタで、ケータイという三次元のプロダクトを示しているから斬新です。そしてその広告が、リアルな世界と、メディアが作り出す仮想現実との境界があいまいな、渋谷という落ち着きのない劇場都市に展開される。ケータイがつなぐ時空は四次元です。コミュニケーションのデザインの専門家が、ケータイのプロダクトデザインまで手がける意味が頷けます。グラフィックとプロダクトと都市とネット空間を結びつける力は、まさにデザインの力。さすがだな。
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それにしてもサロンパス。久光製薬。渋谷の一番目立つとこじゃなくてもいいと思うが……。
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by cabanon | 2007-02-19 23:23 | Comments(8)
 
あぶないおじさん
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この歩行者専用の道路標識は、ブログを立ち上げたばかりの頃、「近所の宇宙人」というタイトルで一度話題にしましたが、最近、標識にナイスなコメントが添えられてました。

この絵柄って全国で使われている正式なデザインなんですよね。少女の角が本当に謎です。都市伝説がある、とWikipediaは記しています。ただ、角の伝説ではありません。前は、このデザイン、変えたほうがいいじゃない、と思ってたけど、変えない方がいいですね。標識界の伝説として21世紀も生きのびてほしい。
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by cabanon | 2007-02-18 21:05 | Comments(4)
 
建築と文字
吉阪隆正設計のアテネフランセ校舎(1962年/神田駿河台)の壁面。これはステキです。
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by cabanon | 2007-02-16 22:12 | Comments(5)
 
永田町のコンビニ
国会図書館へ行く途中立ち寄った、永田町の自民党本部の隣にあるローソンがスゴいことになってました。キティあり、ネズミーランド系あり、ミッフィーあり、ほかいろいろ……。レジの上にも、商品棚の上も、店内のあちこちに、ぬいぐるみが吊されています。もちろん売り物ではありません。デコレーションです。
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外に出て10メートルほど歩くと自民党本部があります。時間に追われる議員の秘書さんが、お茶とか買いに来ているかもしれません。路上では大柄の警官たちが、通行者をチェックしています。ギロッと睨まれると、こっちも硬い表情を作ってしまいます。自民党本部の駐車場を覗くと、黒塗りのセンチュリーがやたら目につきます。

だからあえて、このぬいぐるみたちで、外のギスギスした世界とのコントラストを演出したのかもしれません。永田町にもきっと昔は、人情を感じさせる商店が建ち並んでいたのでしょう。(国会図書館の最上階の靴屋もその名残なのかな)。

しかし、今はこのあたりを歩いても、地元感というか、人と人との触れ合いを全く感じません。そんな地縁を失った町だから、この飾り付けに強い意味があるように感じました。少しでも親しみのある町を取り戻したい。そんな思いは、店内に貼ってあった日比谷高校野球部を応援する、選手のサイン入りのポスターからもヒシヒシと感じられました。

民主主義の中枢部が、人と人との触れ合いを感じさせない──。これがデモクラシーの現状だと思います。他者への不信の眼が支配するデモクラシーへのささやかな異議申し立てが、民主主義の最中央部にある、コンビニという資本主義が生んだ均質空間(ユニバーサル・スペース)の中で、しかもグローバルなキャラクターを過剰に飾り立てることによって行われているのは、実に意味深いことです。

永田町には日本全国からいろいろな人が集まってきます。親しみの演出も地縁の再生も、グローバルなキャラクタービジネスの代表格であるミッキーたちの手を借りないといけない。これが私たちの社会の現実です。──いろいろ深く考えさせられます。だから、このローソンの店主、頑張ってほしいな。
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by cabanon | 2007-02-15 20:35 | Comments(0)
 
お詫びとお知らせ
申し訳ありません。間違った情報を書いてしました。
前回の『工芸ニュース』のバックナンバーの記事。
国立国会図書館で閲覧できる『工芸ニュース』のバックナンバーは、1936年、41年、51年、54〜56年、61年のみ。
と書きましたが、事実ではありません。

戦前の号も57年以降も閲覧できます。所蔵がないのは19巻(1951年)5号と、20巻(1952年)1〜7号です。

コンピュータ検索がいささか不親切で、検索結果を見ると、1936年、41年、51年、54〜56年、61年の巻しか見られないように思えてしまうのですが、奥がありました。今日、係の人に使い方を教わって、1942年や戦後すぐのバックナンバーを読んできました。

でも、52年はとても大切です。日本で「デザイン」という言葉が急速に浸透しはじめる時期です。1951年にはローウィが来日し、52年には日本インダストリアルデザイナー協会が設立されています。欠号分、どなたか国会図書館に寄贈してもらえないものでしょうか。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2007-02-14 19:56 | Comments(0)


Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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