藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
スシ
ニューヨークから来た友人と、映画「銀幕版スシ王子!〜ニューヨークへ行く〜」を観に行きました。僕的には「下妻物語」以来の面白さでした。映画に映画らしさを求めて、ストーリー構成などにあるアラの部分が気になってしまう人にはダメだろけど、マンガが読む感覚で気軽に観るには最高ス。

金曜午後2時の回で、客の入りはいまいち。前方の座席に、明らかにサボリに来たスーツ姿のサラリーマンが、映画は始まると同時にイビキを立て始めた……。ああっヤだなと思っていたら、テンションの高いおバカなギャグがテンポ良く繰り出され、騒々しさにオジサンは30分後くらいに飛び起きてました。オープニング映像はなぜかイームズの「パワーズ・オブ・テン」してました。

で、昼飯を食べていなかったので、映画館から、もちろんすし屋へ。渋谷マークシティの美登利寿司は、17時の開店前から行列が。30分並びました。僕らが最低年齢です。体重管理のことを忘れて食べまくり。帰りに東急ハンズで万歩計を買って帰りました。
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by cabanon | 2008-04-26 11:36 | Comments(0)
 
船上にて
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犬島と直島に行ってきました。犬島アートプロジェクト──明治時代の銅製錬所の廃墟に新たな命を吹き込んだ、柳幸典さんのアート作品と三分一博志さんの建築は素晴らしく良かったです。何がどう良かったかは、CasaBRUTUSの取材ですのでここでは書けませんが、6月10日売りの号(次々号)を是非チェックしてみてください。
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で、翌日は直島へ。朝のフェリーで、石川さゆりがNHKの生放送で歌ってました。この時だけ津軽海峡で青函連絡船に乗っている気分に──。直島は4回目ですが、行くたびに何かが変わっています。今の時期は、萌える新緑とヤマツツジが見事でした。
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【関連リンク】
犬島アートプロジェクトの公式HP。4/27日開館。完全予約制。見学ツアーの詳細は公式HPでお確かめください。

犬島の位置。GoogleMapsの衛星写真。高精細には拡大できません。
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by cabanon | 2008-04-19 13:24 | Comments(3)
 
今年はまだF1見てないけど
「F1 疾走するデザイン」(6/29まで)のオープニングレセプションに行ってきました。会場は初台の東京オペラシティアートギャラリー。
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マンセルが乗っていたウィリアムズのマシーン。

続きを見る。
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by cabanon | 2008-04-12 02:15 | Comments(0)
 
神奈川工科大学KAIT工房へ
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石上純也氏設計の神奈川工科大学KAIT工房へ行ってきました。本厚木駅からタクシーで2,690円かかりました。
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美しい建物です。2,000平方メートルの空間に、柱の数が305本。そのうち42本が垂直荷重を、263本が水平荷重を支えます。平たい柱もあり、その向きはさまざま。配置もランダムです。植物や柱や家具の不規則なレイアウトは、石上氏が昨秋発表した作品「リトルガーデン」を彷彿させます。
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KAIT工房は、学生が自由に利用できる工房です。授業で使う施設ではなく、学生たちが自主的に、機械加工、陶芸、鋳造、木工、基板加工などに取り組むための施設。機器の使い方を指導してくれるスタッフもいますし、ひとつのスペースの中に多種の機材が揃っているので、横断的なものづくりを実践できる。非常にうらやましい施設です。

異世界に迷い込んだ感じがしました。J.G.バラードの小説『結晶世界』を思い出しました。といっても完全に結晶化された世界ではありません。使い込まれた木工用机や、ものづくりの現場感たっぷりの各種工具、むき出しの空調機、背面からコードが伸びるパソコン、それに作業服姿のスタッフの方もいらっしゃる。が、そうした人工物や人間や植物が、結晶の森の中に閉じこめられて、結晶化を待っている……その過程の中にいるような感覚があるのです。
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「現実離れ」が21世紀の今の美しさへ見事に昇華している一方で、大丈夫かな?と心配にさせられる面もありました。昨日(4/10)の厚木は最高気温10℃くらいでかなり寒い一日でした。いっしょに行った建築家は、館内の真ん中あたりの鉄骨の柱を触って、この冷たさはアリエナイと言っていました。外の気温がそのまま室内に伝わってしまうのです。快晴の夏の日には、柱が305本のヒーターになるかもしれません。スタッフにうかがってみると、晴れた日にはすでに室内の温度が30℃を超えた日があるとか。夏は50℃くらいになるじゃないかと真剣に心配していました。

全面ガラスの内と外がつながった空間ですが、四方に人の出入り口があるだけで、外気を取り入れるための開口部がなく、しかし光だけが入ってくる。風と光と熱の流れが設計されていないのです。鉢植えの中には、すでに葉が茶色くなっているものがありました。植物の中には空気の流れに敏感なものがあります。水はしっかり担当を決めてあげているし、光もたっぷりになのに、植物に生気がない。
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ここはガーデンです。庭は手間をかけて育てるものです。竣工が完成でなく、建築家と大学と利用者が、知恵を絞って、改良を重ね、本当に心地よい「ものづくりの庭」を時間と手間をしっかりかけて、育てていくことを願います。

【関連リンク】神奈川工科大学KAIT工房の公式ウェブサイト
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by cabanon | 2008-04-11 11:19 | Comments(2)
 
ヴィンテージマンションの条件
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JR田端駅のヴィラ・ビアンカ。竣工年不明。

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JR原宿駅のビラ・ビアンカ。1964年竣工。

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東上線北池袋駅のコープ・オリンピア。竣工年不明。

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JR原宿駅のコープ・オリンピア。1965年竣工。

パチモンがあることがヴィンテージの条件(1)です。

10日発売の『Casa BRUTUS』5月号でヴィンテージマンションについて記事を書きました。ビラ・ビアンカ、ビラ・グロリア、ビラ・モデルナなど、主に原宿・渋谷周辺に展開しているビラ・シリーズのマンションの話を中心に、「ヴィンテージマンションの条件」を探りました。資産運用のための物件探しの方々にはちっとも役に立たない「条件」ですが、読み物としては面白く仕上がっていると自負しております。
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ヴィンテージマンションの名付け親や、東京R不動産を取材。ビラ・シリーズのデベロッパーである興和商事の石田鑑三会長は、インタビューの1週間後に急逝されました。20年先にわかってもらえればいいという思いで贅を尽くしてマンションを建てた会長の貴重な証言を紹介しています。ぜひご一読を。

上の写真の右頁がビラ・ビアンカ。原宿と千駄ヶ谷の間、明治通りに面してます。大学時代、地下にあったクラブ「ピテカントロプス・エレクトス」でUB40のライブを見たのを思い出しました。東京ってスゴいやって思ったけ。
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by cabanon | 2008-04-09 22:38 | Comments(14)
 
竜王駅に行ってきました
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日曜日(4/8)、山梨県甲斐市のJR中央線・竜王駅へ。甲府の隣駅です。安藤忠雄設計の新駅舎が3月24日オープンしました。
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ガラスの回廊から遠く背景に南アルプスと八ヶ岳が望めます。眺望がいいということは、即ち周囲に何もない。開発予定地のまわりはほとんど宅地です。朝2本この駅始発の新宿行き特急かいじがありますが、下りの特急は停車せず(停車するものもあると情報をいただきました/09年10年追記)、基本的には各停の駅です。正直、何でこの地の、この駅を安藤さんが?というロケーションです。
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カタチに圧倒的な力強さがあります。ガラスの回廊は居心地良い空間です。最近の安藤さんはカタチを消して環境と一体化させる方向の仕事が目立ちますが、実は、アブダビの文化施設やこの駅のようにカタチで勝負の仕事もやっているんですね。もちろん本当はカタチで勝負というほど単純でなく、強いカタチのランドマークをつくって、その求心力を利用して周囲の環境と建築を一体化させている、といったほうがいいのかもしれません。今回は第一期の完成。これから第二期として南北駅前広場が整備されます。
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隣の甲府駅前には丹下健三設計の山梨文化会館(下/1967年竣工)があります。山梨文化会館のどっしり感が、動かざること山の如しなら、竜王駅の透明感は、風の如しでしょうか。中央線の車窓から世界的建築家の秀作が連続で楽しめるようになりました。
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by cabanon | 2008-04-08 11:57 | Comments(2)
 
ヴィンテージ団地!?
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先週(4/4)所用で川崎へ。時間が空いたので、川崎駅から歩いて、団地界巨星の川崎市河原町高層住宅を見に行きました。大谷幸夫/大谷研究室設計。1972年竣工(ネットで調べると69年とか70年とかバラバラ、今度図書館でちゃんと調べます)。
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住みたいかと問われれば、正直にNOと答えますが、しかし、心に底にズドンッと響く建物です。「人」字型棟の内部には大きなホールがあります。トップライトが入りますが薄暗く、子供が遊んだり、住民たちが集うには、いささか陰気な空間です。しかし造形的な力強さには圧倒させられます。神殿のようなのです。大谷幸夫氏といえば国立京都国際会館の設計ですが、京都の作品は海外からの客を迎えるための華やかさがありますが、川崎の作品は庶民のための建物ですから「華」はありません。
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このいささか陰気な翳りのある空間は、どこかで味わったことがある。思いをぐるぐる巡らして思い出したのは、三内丸山遺跡の縄文住宅でした。河原町のこの「人」型高層団地って、縄文の住居が突然ムクムクと天に伸びはじめ、鉄筋コンクリート造の巨大な集合住宅に変身した──そんなイメージを思い描きました。住居の原形だからこそ力強い。
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14階建ては今の高層マンションに比べれば、全く高くない高さですが、上ってみると廊下から階下が直接見下ろせるのでえらく高く感じます。地上の空気を感じる高さは、ガラスに囲われた高さとは違います。もう今ではアリエナイ高層住宅なのかもしれません。昭和の高度経済成長の行き着いた先に生まれた奇跡のカタチですね、これは。
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【関連リンク】GoogleMapsで見る河原町団地
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by cabanon | 2008-04-06 22:07 | Comments(0)
 
毒リンゴの映画
ディズニー映画「魔法にかけられて」を観ました。いや〜、驚愕の映画でした。鳥とか小動物とかとお話ししていた2次元のお姫様が魔女のたくらみによって、実写の現代NYに迷い込む。ディズニーのファンタジーに対して、ディズニー自身が「それはありえん」というツッコミを入れます。リスや小鳥など森の仲間たちと話していたお姫様は、NYでは都会に暮らすあの小動物やあの昆虫たちがお友達です。都会のお友達たちとのお掃除シーンはディズニー史に残るシーンでしょう。これもまたありえない世界です。

しかし最終的には、観客は「真実の愛」を謳うファンタジックなディズニーのリアリティへ引きずり込まれる。幻想が自己をパロディ化して幻想を強化している。つまり、現実的じゃないと一度現実から追放された幻想が、自己パロディをつくることで、再び現実の中に侵入し、再び人々を夢の世界に浸らせる力を強めているのです。

アメリカの今を映し出した映画だと思いました。イラクやアフガン……。「アメリカがやることはみな正義」という考えは、ディズニー映画同様のありえないファンタジーだと多くの人が思っていても、新聞が批判したり、識者が討論したり、テレビで政治家のパロディを繰り返すことで、幻想から抜け出すどころか、アメリカは特別だという幻想に縛られていく。自己批判や自分いじり、パロディ化は夢から醒めないための妙薬だったりします。

NYに現れたお姫様が映画の中でだんだんNY生活に馴染んでいくように、現実世界は幻想世界を表面上は馴化していきますが、実は幻想が現実に巧妙に侵入していく過程で、ついにはアリエナイ思い込みが現実化してしまう。戦争が起こったり、隣国を憎しみを抱いたり、世界で何が起こっているかが見えなくなったり。もちろんそうしたことは日本でも起こっている。

この映画は、ファンタジーの毒を暴露しながら、さらに毒を広めているところが面白い。万人向けの楽しい映画ですが、観ようによっては毒リンゴ的映画です。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2008-04-03 23:43 | Comments(0)


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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