藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
エコエコ東京モーターショー09
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日本の不況がどれほど深刻なものか。それを知るには東京モーターショーに行くのが一番です(一般公開は10/24〜11/4)。朝日新聞が “しぼむ「東京」” なんて見出しを掲げ、不況の中「しぼむ」なんて意気消沈させる言葉は使わないほうがいいのに、と思ったのですが、行ってみると、えっこんなに縮小しちゃったの!?って驚くぐらいしぼんでました。

海外主要メーカーの展示がないことは最初から知っていたので驚きませんでしたが、駅から言って手前側の展示場は使われておらず、展示ブースも経費節減の煽りをうけて地味なものに。二階建て大型ブースなんてありません。

スズキやホンダはバイクとクルマが同じブースに。カワサキに至っては不参加。で、コンパニオンの数も少ない。プレスデーだったから数を減らしていたのかもしれませんが、あの数のままならカメラ小僧たちはかわいそうです。

前回に引き続き千葉の幼稚園児の描いたクルマの絵の展示をやってましたが、今回はその展示がまるで穴埋めのようにいい場所にあって目立ちます。

お祭りなんだからもっとカネをかけろ、って声を大にして言いたいです。子どもの絵が目立ってどうすんの。海外メーカーが不参加だからって、国内メーカーが横並びでお祭りにかける費用を減らすから祝祭感が薄れる。ショーというのは、カラ元気でもいいから、みんなが張り切るところです。

肝心なクルマの展示は、プレミアムカーがほとんど見あたりませんでした。目立っていたのは新発表のレクサスのスポーツカー「LFA」くらいでしょう。ドイツやイタリアの主要メーカーが出展していないせいもあり、お金持ちがステータスを買うクルマをプレゼンテーションする場ではなくなっていました。(ちなみにトヨタのブースでは、ミラノサローネで展示された透明レクサスが見られます。ミラノの展示の時より近くで見られるので、お得です)

やはり主役はエコです。環境技術についてメーカーの人にけっこうじっくり話を聞けたので、僕としてはこのモーターショーをかなり楽しめました。適当にしぼんでたほうが意外と未来がはっきり見えたりするんです。バイワイヤーがどうしただの、電源コードはどこにあるのが適切だとか、ハイブリッド車の形状の類似性についてとか、いろいろ勉強してきました。

次はEV(電気自動車)かもって予感があります。地方のコンビニの駐車場が必要以上に広いのは、もしかして電気ステーションをつくるため、とか勘繰ってしまいました。ハイブリッドは落ち着いてしまった感があります。燃料電池車は、推進団体の担当者に話を聞いてもノリがいまひとつ。「2015年までに国が本腰を入れてくれないとね」って感じでした。

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三菱のブースを見ていて、エコカーはナンバープレートを空色にすればいいって思いました。若草色でもいいですね。三菱のEV「i-Miev」のボディは軽自動車「i」の流用のため、企業が採用している「iMiev」はデカデカと「Electric」とか「電気自動車」とボディに書いてあったりします。日産の「リーフ」だって街を走れば、ガソリン車と見た目は変わりません。

地方に行くと、軽自動車を示す黄色いナンバーがたくさん走っています。黄色ナンバーが走る街から空色ナンバーの街にする。それを地域ぐるみで普及に取り組むんです。地方自治体が競い合って空色のナンバーの町を目指す。いいと思いませんか。

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日産の小型EV「ランドグライダー」。前後に二人乗り。ふつうのクルマのボディに長体をかけたようなデザインです。カーブで車体が横に傾きます。走りの楽しみも追求したコンセプトEV。

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日産のEV「リーフ」。来年後半発売だとか。普及を目指した価格設定でくるとのこと。電池はリース。

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トヨタのコンセプトEV「FT-EVⅡ」。一人乗りEV「i-REAL」で培った技術を小型車「iQ」と同等の“3+1人乗り”の乗用車に。バイワイヤーの操作系で、インパネを無くし、ドライバーの前方に広い空間が生まれる。

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ホンダのU3-X。横や斜めに動くのが実にユニーク。横への動きはタイヤに秘密ありとのこと。アシモの制御技術も応用したとのことですが、逆にアシモにこれをつけたら面白いかも。(YouTubeへ)

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マツダの「清」。「きよら」と読むけど、ついつい「きよし」と読んでしまいます。水の流れをイメージしたとか。マツダのコンセプトカーは我が道を行く感があって毎回大好きです。今年はエコの時流に合わせたのかコンパクトカーの提案でしたが、それでもモーター・スカラプチャーであることは変わっていません。

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実は一番気に入ったのは、エコカーでなく、このダイハツのコンセプトカー「basket」。4人乗れる4駆の軽トラ。日本の田舎はクルマが風景を壊してます。こういうのが田舎の風景を変えてくれると思います。

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韓国のCT&T。ゴルフカート製造から始まった電気自動車メーカー。ここのコンパニオンが一番元気でした。

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コンパニオンの経費節減のやり方が間違っています。ダイハツのブースにて。

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ホンダさん、これは誰に対しての問いなのですか。出すなら出してください。
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by cabanon | 2009-10-23 06:51 | Comments(2)
 
最近心がけていること
流れを感じること。流れに乗っても、調子に乗らないこと。
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by cabanon | 2009-10-18 11:25 | お気に入りの過去記事 | Comments(0)
 
ヴェルナー・パントン展
おすすめの展覧会です。東京オベラシティアートギャラリーのヴェルナー・パントン展(12/27まで)のオープニングレセプションに行ってきました。
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僕はCasaBRUTUSの取材でデンマークのパントン・コレクターを取材したことがありますが、この展覧会では見たことのないパントン作品がたくさんありました。

展示構成はしっかり作り込んであって、パントンの全容を知ることができます。パントンチェアの変遷も見られます。実はパントンの魅力って、椅子より照明だったりします。パントンの照明はそのデザインの奇抜さに先に目が行きますが、実はデンマークの照明の父ポール・ヘニングセンの「光源を見せない照明」を受け継いでいます。ウェグナーとは違う方向で、デンマーク近代デザインの伝統を継承し、発展させたデザイナーなんですよね。で、最近なぜかオベラシティアートギャラリーの十八番になりつつある「靴脱ぎ展示」もいいです。もう40年前のデザインなのに、古さは微塵も感じさせません。

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【おまけ】パントンのプロフィール
(4年前『BRUTUS』に書いた原稿です。名前は英語読みでヴァーナーにしてます)

ヴァーナー・パントン Verner Panton 1926-1998
とどまることの知らない創造力と探求心で、色彩、形態、光の実験を重ねたデンマーク生まれのデザイナーです。パントンの家具、照明、ファブリックは1960〜70年代初頭の未来志向のデザインのシンボル的な存在となりました。コペンハーゲンの王立美術アカデミーで建築を学び、50年から52年アルネ・ヤコブセンの建築事務所で働きます。55年に独立して、58年ユニークな形態のコーンチェアから独自のスタイルが生まれはじめます。63年にスイスに移住。68年には世界初のプラスチックの一体成型椅子パントンチェアの製品化に成功します。70年ケルンの国際家具見本市では未来の居住空間ヴィジオナ2を展示し、その幻惑的かつ未来的な空間で世界に衝撃を与えました。

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上の写真は展覧会のヴィジオナ2の再現空間。
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by cabanon | 2009-10-17 10:56 | Comments(0)
 
デザイナーによるセルフパブリッシング
トークのお知らせです。
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MeMe Design School公開講座「デザイナーによるセルフパブリッシング」の司会進行役を務めます。

出演:松田行正+町口覚+江口宏志+藤崎圭一郎(司会進行)
日時:10月31日(土)18時30分〜20時30分
会場:青山ブックセンター本店内カルチャーサロン青山
定員:120名
入場料:500円(ABCオンラインストアで事前にWEBチケットを購入してください)
参加申し込み・詳細はこちらをご覧下さい。

昨日、ミームデザイン学校を主宰する中垣信夫さんを交えて、出演者の方々と打ち合わせをしてきました。有意義トークになりそうです。

85年から牛若丸出版を主宰し20冊以上の本を出版してきたグラフィックデザイナー松田行正さん、レーベル「M」を創設し写真集をインディペンデントな立場から出版するアートディレクター町口覚さん、ZINEブームの仕掛け人のユトレヒト代表、江口宏志さん。

サッカーにたとえれば、松田さんはベテランDF、冷静で物静かだが局面局面では激しいプレイも。町田さんは根っからのFW、熱いドリブラー。江口さんはゲームを組み立てるタイプのMF、嗅覚が鋭く粘り強い。デザイナーが自主出版する本・雑誌の行方を、それぞれの立場から語り合います。
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by cabanon | 2009-10-15 10:24 | Comments(0)
 
こっそり・うっとり・しっとりデザイン
最初の音に促音が付き「り」で終わる言葉に「デザイン」という言葉を組み合わせると面白い。

たとえば、うっとりデザイン、むっちりデザイン、がっかりデザイン、しっぽりデザイン、すっきりデザイン、にっこりデザイン、まったりデザインなどなど。

こっそりデザインは深澤さんの言う「without thought」のような意味にも使えます。ググると、すでに「こっそりデザイン」という言葉を「without thought」に絡めて書いている人がいました。佐藤卓さんのクールミントガムの右から2番目の手を挙げたペンギンもこっそりデザインですね。でも、「こっそりうっとりデザイン」というとまたちょっと違う意味になる。「うっかりそっくりがっかりデザイン」とか、ネガティブな意味にも使えます。

下に羅列した言葉に、デザインという言葉をつけてみてください。
イマジネーションが湧いてきます。

あっさり
うっかり
うっとり
おっとり
がっかり
かっきり
がっくり
かっちり
がっちり
きっちり
きっかり
ぎっくり
ぎっしり
きっぱり
くっきり
ぐっしょり
ぐったり
げっそり
こっきり
こっそり
ごっそり
こってり
さっぱり
ざっくり
しっかり
しっくり
じっくり
しっとり
じっとり
しっぽり
しゃっきり
すっかり
すっきり
ずっしり
そっくり
たっぷり
だっぷり
ちゃっかり
つっぱり(形容詞系とは違いますが)
てっきり
どっきり
どっさり
どっしり
どっぷり
にっこり
ねっちり
ねっとり
のっそり
のっぺり
はっきり
ぱっくり
ばっしり
はったり(これは名詞ですが)
ぱったり
ばったり
ばっちり
ぱっちり
びっくり
びっしり
ひっそり
ぴったり
ぷっくり
べったり
ぺったり
ほっこり
ぽっかり
ぽっきり
ぽっくり
ぽってり
ぼってり
まったり
みっちり
めっきり
むっちり
むっつり
もっさり
もっちり
やっぱり
ゆっくり
ゆったり

日本語、好きだな〜。
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by cabanon | 2009-10-14 10:32 | お気に入りの過去記事 | Comments(4)
 
『デザインするな』著者インタビュー
丸善のウェブサイトに『デザインするな』の宮田識さんと藤崎の著者インタビューが掲載されました。『デザインするな』を書くことになったキッカケや裏話などをしゃべっています。宮田さんの笑顔が素敵です。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2009-10-11 10:59 | Comments(2)


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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