藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
最近心がけていること
流れを感じること。流れに乗っても、調子に乗らないこと。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

# by cabanon | 2009-10-18 11:25 | お気に入りの過去記事 | Comments(0)
 
ヴェルナー・パントン展
おすすめの展覧会です。東京オベラシティアートギャラリーのヴェルナー・パントン展(12/27まで)のオープニングレセプションに行ってきました。
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僕はCasaBRUTUSの取材でデンマークのパントン・コレクターを取材したことがありますが、この展覧会では見たことのないパントン作品がたくさんありました。

展示構成はしっかり作り込んであって、パントンの全容を知ることができます。パントンチェアの変遷も見られます。実はパントンの魅力って、椅子より照明だったりします。パントンの照明はそのデザインの奇抜さに先に目が行きますが、実はデンマークの照明の父ポール・ヘニングセンの「光源を見せない照明」を受け継いでいます。ウェグナーとは違う方向で、デンマーク近代デザインの伝統を継承し、発展させたデザイナーなんですよね。で、最近なぜかオベラシティアートギャラリーの十八番になりつつある「靴脱ぎ展示」もいいです。もう40年前のデザインなのに、古さは微塵も感じさせません。

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【おまけ】パントンのプロフィール
(4年前『BRUTUS』に書いた原稿です。名前は英語読みでヴァーナーにしてます)

ヴァーナー・パントン Verner Panton 1926-1998
とどまることの知らない創造力と探求心で、色彩、形態、光の実験を重ねたデンマーク生まれのデザイナーです。パントンの家具、照明、ファブリックは1960〜70年代初頭の未来志向のデザインのシンボル的な存在となりました。コペンハーゲンの王立美術アカデミーで建築を学び、50年から52年アルネ・ヤコブセンの建築事務所で働きます。55年に独立して、58年ユニークな形態のコーンチェアから独自のスタイルが生まれはじめます。63年にスイスに移住。68年には世界初のプラスチックの一体成型椅子パントンチェアの製品化に成功します。70年ケルンの国際家具見本市では未来の居住空間ヴィジオナ2を展示し、その幻惑的かつ未来的な空間で世界に衝撃を与えました。

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上の写真は展覧会のヴィジオナ2の再現空間。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

# by cabanon | 2009-10-17 10:56 | Comments(0)
 
デザイナーによるセルフパブリッシング
トークのお知らせです。
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MeMe Design School公開講座「デザイナーによるセルフパブリッシング」の司会進行役を務めます。

出演:松田行正+町口覚+江口宏志+藤崎圭一郎(司会進行)
日時:10月31日(土)18時30分〜20時30分
会場:青山ブックセンター本店内カルチャーサロン青山
定員:120名
入場料:500円(ABCオンラインストアで事前にWEBチケットを購入してください)
参加申し込み・詳細はこちらをご覧下さい。

昨日、ミームデザイン学校を主宰する中垣信夫さんを交えて、出演者の方々と打ち合わせをしてきました。有意義トークになりそうです。

85年から牛若丸出版を主宰し20冊以上の本を出版してきたグラフィックデザイナー松田行正さん、レーベル「M」を創設し写真集をインディペンデントな立場から出版するアートディレクター町口覚さん、ZINEブームの仕掛け人のユトレヒト代表、江口宏志さん。

サッカーにたとえれば、松田さんはベテランDF、冷静で物静かだが局面局面では激しいプレイも。町田さんは根っからのFW、熱いドリブラー。江口さんはゲームを組み立てるタイプのMF、嗅覚が鋭く粘り強い。デザイナーが自主出版する本・雑誌の行方を、それぞれの立場から語り合います。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

# by cabanon | 2009-10-15 10:24 | Comments(0)
 
こっそり・うっとり・しっとりデザイン
最初の音に促音が付き「り」で終わる言葉に「デザイン」という言葉を組み合わせると面白い。

たとえば、うっとりデザイン、むっちりデザイン、がっかりデザイン、しっぽりデザイン、すっきりデザイン、にっこりデザイン、まったりデザインなどなど。

こっそりデザインは深澤さんの言う「without thought」のような意味にも使えます。ググると、すでに「こっそりデザイン」という言葉を「without thought」に絡めて書いている人がいました。佐藤卓さんのクールミントガムの右から2番目の手を挙げたペンギンもこっそりデザインですね。でも、「こっそりうっとりデザイン」というとまたちょっと違う意味になる。「うっかりそっくりがっかりデザイン」とか、ネガティブな意味にも使えます。

下に羅列した言葉に、デザインという言葉をつけてみてください。
イマジネーションが湧いてきます。

あっさり
うっかり
うっとり
おっとり
がっかり
かっきり
がっくり
かっちり
がっちり
きっちり
きっかり
ぎっくり
ぎっしり
きっぱり
くっきり
ぐっしょり
ぐったり
げっそり
こっきり
こっそり
ごっそり
こってり
さっぱり
ざっくり
しっかり
しっくり
じっくり
しっとり
じっとり
しっぽり
しゃっきり
すっかり
すっきり
ずっしり
そっくり
たっぷり
だっぷり
ちゃっかり
つっぱり(形容詞系とは違いますが)
てっきり
どっきり
どっさり
どっしり
どっぷり
にっこり
ねっちり
ねっとり
のっそり
のっぺり
はっきり
ぱっくり
ばっしり
はったり(これは名詞ですが)
ぱったり
ばったり
ばっちり
ぱっちり
びっくり
びっしり
ひっそり
ぴったり
ぷっくり
べったり
ぺったり
ほっこり
ぽっかり
ぽっきり
ぽっくり
ぽってり
ぼってり
まったり
みっちり
めっきり
むっちり
むっつり
もっさり
もっちり
やっぱり
ゆっくり
ゆったり

日本語、好きだな〜。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

# by cabanon | 2009-10-14 10:32 | お気に入りの過去記事 | Comments(4)
 
『デザインするな』著者インタビュー
丸善のウェブサイトに『デザインするな』の宮田識さんと藤崎の著者インタビューが掲載されました。『デザインするな』を書くことになったキッカケや裏話などをしゃべっています。宮田さんの笑顔が素敵です。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

# by cabanon | 2009-10-11 10:59 | Comments(2)
 
今年もDAGODAが出来ました
昨年第1号は赤DAGODA。今年はゴールドDAGODA。百式です。
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法政大学大学院システムデザイン研究科と東京藝術大学大学院視覚伝達研究室の学生がつくったフリーペーパーです。法大が編集、藝大がデザインを担当。僕はエディトリアル・スーパーバイザーとして編集の指導をして、松下計さんがクリエイティブディレクターとしてデザインの指導をしています。

僕はこうした直接的に営利目的でない実験的なメディア制作を「メディアプロトタイピング」と名づけることにしました。

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藝大生によるビジュアル頁。


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対談は9000字。かなり読み応えがあります。


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「○覚」とは○の中に漢字を入れて、
新しい感覚の造語をつくってもらう企画です。
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内容はこんな感じです。A4変型。全36頁。
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こっそり申し込みを再開します。

DAGODA No.2、ご希望の方に送ります。

フリーペーパーですが、メール便代がかかります。

手順は去年同様いささか複雑です。
右上のProfile欄内の「mail」をクリックして、「DAGODA第2号希望」と件名に書き、メッセージ欄にお名前と、何か簡単にメッセージをお書き下さい。「よろしく」でもなんでもいいです。件名を書かないメールや、件名だけの空メールはご遠慮ください。迷惑メールフィルターに引っ掛かります。

私の住所を返信します。その住所へ、お送り先の住所・郵便番号・氏名を書いたメモと、80円分の「切手」を郵送してください(現金不可)。ヤマト運輸のメール便を使いますので今年は郵送代が安くなりました。

送付作業はのんびりやりますので、お届けするのに2週間くらいかかることがありますので、ご容赦ください。

お一人様1冊に限らせていただきます。
第1号希望も同時に希望の方は、メールのメッセージ欄にその旨お書きください。郵送料は2冊まとめて80円です。

規定数に達し次第、締め切らせていただきます。ご了承ください。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

# by cabanon | 2009-09-24 15:27 | Comments(2)
 
DAGODA02
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

# by cabanon | 2009-09-22 19:26 | Comments(2)
 
SENSEWARE東京巡回展
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21_21 DESIGN SIGHTへ「TOKYO FIBER '09──SENSEWARE」展(27日まで。入場無料!)のオープニングレセプションに行ってきました。東京で見る同展は、春にミラノで見た同展と、微妙に感触の違うものでした。パリッ、カラッと見えた作品が、10%くらい湿度を含んで見えるんです。人工繊維がそれぞれの風土の空気の感触を映し出しているというか、、、とにかく面白い展覧会です。
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本展にあわせて朝日新聞出版から出された書籍に、ミラノ展の約8000字のレポートを寄稿しています。冒頭だけ引用しましょう。

**************

私たちは人がつくりしものの中で暮らしている。自然に憧れ、森の暮らしに還れても、人がつくりしものは手放すことはできない。衣服も食材も家も、それをつくる道具も、それらを運ぶ乗り物も道路の舗装材も、生産と消費の無限ループシステムから生まれたプロダクトである。

近代社会では「生産」の対義語は「消費」とされる。しかし消費とは身体性の欠如した言葉である。祖母が縫った綿入れを着るときや、庭でつくったトマトを家族で食べるとき、それを「消費する」と表現する人はいない。本来「つくること」の後には、「使う」「食べる」「着る」「住まう」「楽しむ」というさまざまな行為が続いている。

産業革命以降の大量生産の進展が、それらをひとまとめてして「消費」という言葉に押し込めて、「生産」の対義語にしてしまった。その過程で何かが抜け落ちた。

「TOKYO FIBER '09──SENSEWARE」展のディレクターを務めた原研哉から「SENSEWAREとは感覚を鼓舞し、創造行為を触発する媒質」という話をうかがったとき、その何かが見えてきたような気がした。

生産技術は向上している。微細加工技術や材料工学などの進歩で、機械生産は熟練した職人技に質的に劣るとはもういえない。が、消費の質は向上しているだろうか。消費を意味する英語のconsumeは、ラテン語起源で、conは「完全に」、sumeは「取る」の意である。消費の良し悪しは、どこまで使い尽くすかであり、それは質というより量の問題である。

そのため消費の美学は蕩尽に向かう。どう使うか、どう味わうか、どう着こなすか、どんな行為を触発するかといった身体行為と密接に関わる質的な問題意識は脇に置かれてしまう。

生産に消費を対置することで、生産の質も危機に瀕する。ものづくりや創造行為でさえ量の問題にされてしまいかねなくなる。そこで「生産」に対になる言葉として「消費」の代わりに「感じること」を置いてみる。「感じること」なら「質」を問える。そうすることで「生産の質」への問題意識も向上する。

デザインの役割も変わらなくてはいけない。「消費」を促すためのデザインから、「感じること」を促すためのデザインへ──。

以下の論考は筆者がミラノで取材した「TOKYO FIBER '09」展の報告である。同展を感じることの質を高める実験室として捉え、その出品作から21世紀のものづくりのあるべき姿を読みとってみたい。
(このあとは、書籍で読んでみてください)
text & photo by Keiichiro Fujisaki

# by cabanon | 2009-09-17 23:50 | Comments(0)


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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