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藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
靖國EVAコミケ
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15日早朝原稿を送って、3時間寝て、靖國神社へ向かいました。別に右翼とかじゃないです。昨年映画「靖国 YASUKUNI」を観て、一度は8月15日の靖国を見ておこうと思っていたのです。地下鉄出口あたりは署名活動をしてる人が一杯でかなり騒がしかったのですが、それを過ぎると思ったより平穏。意外と若い人が多かったです。映画は編集して激しい部分だけを使っているなというのが分かります。確かに激しい人たちはいました。「死ね、お国の為に」とか刺繍した服を着た男性や、進軍ラッパを片手に行進する軍服姿の集団もいました。彼らをまるでコスプレの人を撮るように撮影する人たちの姿も異様です(僕もその一人だったのですが)。
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12時少し前、なかなか前に進まない行列の中にいると、隣の武道館で行われている戦没者追悼式の音声が流れはじめました。君が代斉唱。テレビの音声に合わせ、みなが静かに歌い始めます。杜から歌声が湧き上がり、やがて君が代に包まれ、自分の口も動いている。これが国歌の力と思いました。

12時きっかり。黙祷。上空でバタバタと騒音を発していたヘリコプターがこの時だけ静かになります。高度を上げたのか遠くへ行ったのか。セミの鳴き声だけが聞こえます。

いっそのこと、15日の境内は終日しゃべること、物音を立てることを禁止したほうがいいと思いました。あまりに政治的思惑が渦巻きすぎています。人の声を聞くために来る場所ではないはずです。

夜は、ヱヴァンゲリヲン破を観ました。2回目です。テンポよし作画よし新キャラよし、新展開のストーリーも面白いのですが、なんか「破」というより「和」なんです。TVシリーズより各キャラのかなり性格の歪みや人間関係の歪みは抑えめに描かれ、他人を思いやる、いい人になっています。

僕はEVAを他者とのシンクロと拒絶を巡る物語だと思っています。心の中で他人を拒絶している子どもたちが、大人たちの思惑でEVAに載せられ強制的にシンクロさせられ、使徒のATフィールドという絶対的な拒絶の力を打ち破る……。

破では、みなが他人を受け入れようと努力する人になりすぎていて、ATフィールドがただの使徒の武器(バリア)でしかなくなっている。シンジのDATは、周囲を拒否して自分の世界にこもる道具というより、父との精神的つながりの象徴として描かれています。

人生応援歌になったロックやパンクは嫌いです。

このまま精神崩壊は訪れず(もちろんストーリー崩壊はなく)、和をもって尊しとなす物語になっちゃうのでしょうか。まあこれも時代かと思います。でも、世界には絶対にわかり合えないことや、歪んでしまってもう直らない関係性があることを忘れちゃいけないとも思うわけです。わかり合えない者同士がどうやって同じ場所に生きていくか。そのことのほうが現代人には大切なメッセージになるよう思うのですが……。
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で、16日は夏コミへ。ここはみながみなをある距離感を置きながら認め合っている世界。予定調和の空間です。けどやっぱり歩き回っているより出展しないと面白くない。冬コミは頑張ろ。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2009-08-17 14:06
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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