藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
ヴェルナー・パントン展
おすすめの展覧会です。東京オベラシティアートギャラリーのヴェルナー・パントン展(12/27まで)のオープニングレセプションに行ってきました。
ヴェルナー・パントン展_d0039955_10385848.jpg
僕はCasaBRUTUSの取材でデンマークのパントン・コレクターを取材したことがありますが、この展覧会では見たことのないパントン作品がたくさんありました。

展示構成はしっかり作り込んであって、パントンの全容を知ることができます。パントンチェアの変遷も見られます。実はパントンの魅力って、椅子より照明だったりします。パントンの照明はそのデザインの奇抜さに先に目が行きますが、実はデンマークの照明の父ポール・ヘニングセンの「光源を見せない照明」を受け継いでいます。ウェグナーとは違う方向で、デンマーク近代デザインの伝統を継承し、発展させたデザイナーなんですよね。で、最近なぜかオベラシティアートギャラリーの十八番になりつつある「靴脱ぎ展示」もいいです。もう40年前のデザインなのに、古さは微塵も感じさせません。

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【おまけ】パントンのプロフィール
(4年前『BRUTUS』に書いた原稿です。名前は英語読みでヴァーナーにしてます)

ヴァーナー・パントン Verner Panton 1926-1998
とどまることの知らない創造力と探求心で、色彩、形態、光の実験を重ねたデンマーク生まれのデザイナーです。パントンの家具、照明、ファブリックは1960〜70年代初頭の未来志向のデザインのシンボル的な存在となりました。コペンハーゲンの王立美術アカデミーで建築を学び、50年から52年アルネ・ヤコブセンの建築事務所で働きます。55年に独立して、58年ユニークな形態のコーンチェアから独自のスタイルが生まれはじめます。63年にスイスに移住。68年には世界初のプラスチックの一体成型椅子パントンチェアの製品化に成功します。70年ケルンの国際家具見本市では未来の居住空間ヴィジオナ2を展示し、その幻惑的かつ未来的な空間で世界に衝撃を与えました。

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上の写真は展覧会のヴィジオナ2の再現空間。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2009-10-17 10:56
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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