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藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
谷口吉生展&アールデコ展
日曜日で終わってしまう展覧会を2つ見てきました。

まずは初台のオペラシティで行われている「谷口吉生のミュージアム」展。
昨年秋の再オープンで世界的に注目されたMoMAの増改築を中心に、これまで谷口氏が手がけた美術館・博物館の仕事を振り返っています。MoMAに関しては膨大な量の図面も閲覧できます。模型も完璧です。MoMAの歴史にも触れてあり、今回の増築がMoMAの歴史の中でどういう位置づけかがしっかり分かります。MoMA周辺のビルの建ち並び方を再現した模型もあり、敷地の様子も十分に理解できます。

が、もう少し谷口氏の思考のプロセスを多面的に映し出す展示が欲しかった。状況証拠はきちんと揃えてある。物証もある。が、自白や証言が少なく、谷口氏の頭の中でどんな思考回路が働いたのか探るにはいまひとつ資料が足らない。ラフなスケッチや本人や関係者の証言を多角的に使うなどして、創造の軌跡を再現してもらえたら、展覧会の充実度はさらに増したでしょう。

谷口建築は体験するに限ります。チョーが付くほど完璧主義なのですが息苦しさが全くない。純粋な空間構成の完璧さや、物体として建築の完璧さを求めるのでなく、人と向かい合う建築の完璧さを常に追い求めているからでしょう。だから写真や模型では冷たそうに見えても、実際に行ってみると冷たさを感じない。遊び心も感じる。広島のゴミ処理施設とか、ほんと良かったです。
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広島市環境局 中工場。谷口吉生設計。2004年竣工
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ゴミ焼却装置をガラス越しに見られるギャラリー通路

次は上野、アールデコ展。
アイリーン・グレイの漆の衝立とか、ナタリア・ゴンチャローヴァの衣装デザイン、ピエール・シャローのデスクなど、意外なものを見ることができました。感想はそれだけ。

ついでに国立科学博物館の恐竜博2005も (7月3日まで)。
お父さんお母さんに連れられた小さなお友達に混じって、僕のような一人で来ている大きなお友達もけっこういて一安心。それにしてもアールデコ展とは客層が対照的。あっちはゴージャスなマダムもいらっしゃいました。

恐竜のかたちはよくよく見ると非常に面白い。基本的に流線型をしている。やはり高速に動いたのだろうか。中にはサカナのように真正面から見ると薄っぺらい恐竜もいる。

ティラノサウルスは二足歩行なんですよね。どうやら人間は二足で立つものに強い共感を感じるようです。風太もASIMOもペンギンもそうだし。恐竜も四足歩行と翼竜だけだったら、これほど人気はなかったかもしれない。恐竜戦車、好きになれなかったし。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-06-24 23:51
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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