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藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
CEATECレポート
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幕張へCEATEC JAPAN 2005に行ってきました。シーテックジャパンは映像・情報・通信の国際展示会。今年のテーマは「発展するユビキタス社会」ということでしたが、大手電機メーカーのブースの主役は大画面テレビです。でっかいことはいいことだぁ。テレビだけは昭和の大艦巨砲主義を引きずってます。
テレビ以外にも興味深い技術がけっこう展示されていました。会場を回って気になったものをいくつか紹介します。


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NTTドコモが参考出展した「指話」(Yubi-Wa)です。指に装着して耳の中にその指を入れ、爪を耳の内部に押し当てると、骨伝導によって音が聞こえます。体験しましたがかなりはっきり聞こえました。


CEATECレポート_d0039955_16152678.jpg日立の知的ユーザインタフェースは、テレビのリモコンとして開発されたものです。人の声に従って、テレビを操作します。人の顔を認識し、お父さんならスポーツ系、おばあちゃんならみのもんたといった具合に、番組を薦めたりします。ウサギ型ロボットともいえますが、いまどきの家庭用ロボットとは違います。歩いたり、掃除をしたり、無駄話に付き合ってくれたり、ペットのようにじゃれたり、ホームセキュリティをしてくれるわけではありません。ロボットではなく、あくまでテレビと人間とをつなぐインターフェイスとして開発しているそうです。小学校1年生が描いたウサギをモチーフにしたかのような外観デザインはなんとかならないかと思いましたが、ロボットとしてでなくインターフェイスに徹する開発の姿勢には好感が持てました。ちなみに、使わないときには耳が閉じているそうです。


CEATECレポート_d0039955_1615637.jpg三菱電機のブースでは、NTTドコモと共同開発した2画面ユニバーサルデザイン携帯電話試作機が展示されていました。ケータイを開くと上下に2画面。通常ボタンなど操作系のある部分がタッチパネル式の液晶画面になっています。画面の大きな文字の指示に従って、マニュアルなどを読むことなく操作ができる。そこがユニバーサルデザインだそうです。
CEATECレポート_d0039955_16154898.jpgポイントはクリック感です。画面のボタンを押すとカチッと指に感触が返ってきます。超小型アクチュエータでも使っているのかと説明員に聞きましたが、仕組みはヒミツとのこと。文字入力は今のケータイより分かりやすそうです。手書き入力もできます。が、超高速にメールを打つ人たちにとってタッチパネルは使いやすいのか、少し疑問が残りました。


CEATECレポート_d0039955_16281477.jpg地味だけどスゴいのがこの技術です。松下電器のHD-PLC(高速電力線通信)技術。電源コードでデータを送る技術です。写真を見て下さい。固定カメラは電源コードだけ、データを送るケーブルがありません。情報データと電気とを別々の周波数帯で送ることで、一本のコードで電気も情報も送ることを可能にします。LANケーブルは必要なくなり、コンセントさえあればどこでもインターネットができるというわけ。最大170Mpsのデータのやりとりが可能。ハイビジョンの動画も余裕です。他の機器に影響を与えるという懸念があるため、現在、日本では電力線でデータを送ることを禁止されています。今回のデモは、松下は総務省から特別の許可を受けて、日本で初めて公開実験を行ったもの。現在、規制緩和を働きかけている最中だとか。実現すればネット家電の可能性が一気に広がることは間違いありません。

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パイオニアのフローティングインターフェース。立体画像の中に指がすっと入っていく感覚です。画面より前に像が結ばれるので、3D画像が宙に浮かぶように映し出されます。センサが指の位置を認識し、イルカが指に寄ってきました。触感がないので、幽霊と戯れているかのよう。すごく期待して見に行ったのですが、なんだぁこれだけ感のほうが強かった。しかし触覚を刺激する仕掛けと組み合わせたり、等身大くらいの画面が実現できるようになったら面白いかも。

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石川光学造形研究所のChatty(チャッティ)です。 会場の片隅の極小ブースで異様な存在感を放っていました。人の顔を外からプロジェクターで投影する現代美術作品は見たことがあります。が、これは頭の中にあるプロジェクターによって内側から顔を投影。顔にはちゃんと凹凸があります。リアルですが不気味の谷のいちばん底って感じ。ちょっと怖いです。


CEATECレポート_d0039955_16113879.jpg筑波大学と、デジタルハリウッド大学による「全周囲球面ディスプレイの産業向け利用研究」も面白かった。筑波大学の岩田・矢野研究室が超小型ドームスクリーンを開発、それに合わせてデジタルハリウッド大学の安楽研究室がCGコンテンツを製作したもの。
CEATECレポート_d0039955_16394724.jpg上半身だけ球面ディスプレイに入り、マウスを右ボタン/左ボタンをクリックして前進・後進を選択します。方向転換は体をよじってディスプレイごと動かす。右へ曲がるときは右へ体をひねる。体の動きとの一体感が新鮮でした。岩田・矢野研は以前から球面ディスプレイを開発していますが、誰もが気軽に体験できるという点がかなりリファインされてます。説明員の学生によると岩田・矢野研では歩行のバーチャルリアリティ装置と組み合わせたものも製作したとか。体験してみたい。


しっかりカメラ小僧もしてきました。見事に背丈が揃っているのはナゼ?
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text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-10-08 16:25
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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