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藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
今年は注射針でした
2005年度グッドデザイン大賞はテルモの注射針です。
今年は注射針でした_d0039955_1918954.jpg

本日グッドデザイン賞表彰式に行ってきました。会場で決定した大賞はテルモのインスリン用注射針「ナノパス33」です。

世界最細の先端径0.2mm。従来のインスリン用注射針より20%細いそうです。針は細いほど痛みを軽減できるが、薬の注入がしにくくなる。細さと注入しやすさという相反する条件を、根元を太く先端に行くほど細くなる構造を開発して両立させたのがポイントです。

この眼で見ましたが、ホント細かったです(写真はルーペ越し)。
毎日数回注射をしなければならない糖尿病の患者さんたちの喜ぶ顔が見えるプロダクト。それを支える画期的構造と日本の微細加工技術。笑顔とものづくりをつなぐのがデザイン──そんな「プロジェクトX」みたいなわかりやすさが支持されたのでしょう。ベスト15から5点に絞られた2回目の審査投票で407票を獲得。2番目に票を獲った松下の「電池がどれでもライト」が215票ですから、ダブルスコアに近い圧倒的な差をつけての受賞です。

今年は注射針でした_d0039955_2010363.jpg審査投票前に、大賞候補15点の各3分間のプレゼンテーションが行われたのですが、その中でいちばん印象深かったのは深澤直人さん。最初自分の名を名乗り、その後は全く声を発しない。映像も完全サウンドオフ。スクリーンに画像と文字が交互に映し出されるだけ。いつしゃべりだすかと思って見ていたら、映像が終わって挨拶しただけ。僕はステージ最前列でカメラを構えていたのですが、深澤さんはずっとスクリーンを眺めているだけなのでシャッターチャンスなし。見事な無音プレゼンでした。ですが、±0の加湿器自体は審査員の票をあまり集められず。深澤さんはいまやニッポンデザインの顔なのだからグッドデザインMIPとかあげればいいのに。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-10-25 19:50
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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