【第5位】 短編映画「Powers of Ten」の撮影に使われた大きく引き延ばしたプリント。あっこのへんは写真じゃなくてイラストなんだ、とかわかります。実際の撮影にはこのプリントだけでなく、等身大くらいの地球儀なども使っていたはずです(スタッフのパーク・ミークがその地球儀をコマ撮りしている写真を見たことがある)。
【第1位】アメリカの光景 Glimpses of the U.S.A. アメリカ文化を紹介する7面スクリーンのスライドショー。会場では7つのテレビモニターを使って再現してます。冷戦の真っ只中、1959年モスクワで上映されたものです。それもバックミンスター・フラー設計のドームのなかで。フルシチョフ時代のソ連。冷戦中といってもキューバ危機の前、雪解けムードの頃です。依頼主はアメリカ政府の情報局。イームズはジョージ・ネルソンを通じてアメリカ文化/資本主義体制のプロパガンダの仕事を受けます。が、このスライドショーは単純な政治的なプロパガンダを超えています。摩天楼や高速道路、アメリカ人の豊かな生活、大自然を映し出し、資本主義体制の優位さを宣伝しますが、最後のメッセージは友愛。ラストのスライドはワスレナグサの鉢植えです。忘れないで──。英語ではForget-me-notと呼ばれる青い花。ロシア語でも同じ意味の名がついています。ワスレナグサはソ連の観客を泣かせたと、イームズの元スタッフでアメリカの光景の製作に関わり、イームズの研究家としても知られるジョン・ニューハートが、かつて取材の際に教えてくれました。フラードームの中にいる気持ちになって見てみましょう。