人気ブログランキング | 話題のタグを見る

藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
やっぱりロボットは面白い。
2005国際ロボット展のレポートです。
やっぱりロボットは面白い。_d0039955_13264669.jpg
今回、最も興味深かったのは、広島大学大学院生体システム論研究室のサイバネティック・ヒューマン-ロボット・インターフェース・システム「CHRIS(クリス)」。上腕部に電極を付け、筋電を検知し、手の動きによって車椅子や部屋の中の電気製品の操作を行ってしまおうという試みです。車椅子の埋め込まれたノートパソコンのディスプレイを見ながら、手首を上げたり下げたり左右に傾けて、ジェスチャーで操作します。
やっぱりロボットは面白い。_d0039955_13254024.jpg
車椅子の横に置かれた液晶テレビの映像に驚かされました。手を失った男性が、筋電でロボットハンドをリアルタイムに操作します。
腕や脚を失った人には腕や脚のイメージが残っています。ファントムリム(幻肢)ってやつです。この実験では、上腕を失った被験者が、手でボールをつかむことをイメージして筋肉を動かすと、腕の残された部分に付けた電極が筋肉の発する電気を読み取り、隣に置かれたロボットハンドが見事にボールをつかみます。機械が人間の生体の延長線上に直接ジャックインされるわけです。他にも顔の筋肉だけで機械を操作するといったう映像も流れてました。

やっぱりロボットは面白い。_d0039955_13312538.jpg
筑波大学山海研究室の「ロボットスーツHAL-5」。パワードスーツもここまでスマートになったかのと感慨がこみ上げてきました。1968年にGE社が試作したハーディマン(Hardiman)と比べてみて下さい。40キロのものをほとんど力を使わず持ち上げることができるそうです。デザインは某社のインハウスデザイナーが担当。どこの会社の方なのかは教えてもらえませんでした。

やっぱりロボットは面白い。_d0039955_132948.jpg
これ、注目です。
やっぱりロボットは面白い。_d0039955_13294549.jpg
産業技術総合研究所(産総研)知能システム研究部門の「乗車型移動プラットフォーム」。倒立振子の原理を使っています。が、セグウェイのようにハンドルがなく、体重移動だけで操縦できるのが特長。時速6キロ。リチウムイオンバッテリーで動きます。10人中8人はすぐに乗りこなせるとのことです。走行性能を上げればスポーツなんかにも使えそうだし。カッコいいネーミングを期待してます。ただ普及にはセグウェイ同様、法整備が必要だとか。 Link/開発者松本治さんのHP

やっぱりロボットは面白い。_d0039955_13302028.jpg
産総研の開発したアザラシ型ロボット「パロ」。また、ぬいぐるみのコミュニケーションロボットか、と思って関心がなかったのですが、世界で最もセラピー効果があるロボットとしてギネス世界記録に認定されたと聞いて触ってみました。
やっぱりロボットは面白い。_d0039955_13305313.jpg
バカにしててスミマセン。かなりのもんです。表情がとても豊か。ヒゲを触るといやがったり。確かにこれなら動物とか持ち込めない病院で癒し効果が発揮できるでしょう。う〜ん、でも製品としてヒットさせるには何かが足りないような。キャラかな。価格は35万円。まだ業務用ですね。 Link/産総研のプレスリリース。

やっぱりロボットは面白い。_d0039955_147183.jpg
日立の有機アクチュエータ。電気信号を送ると熱膨張で伸長する導電性有機材料が、柔らかで軽やかな動きをします。有機材料だから有機アクチュエータなのですが、自然なオーガニックな動きをするという意味でも「有機」かも。やっぱりロボットは面白い。_d0039955_13325568.jpg工場で働く産業用ロボットは人の世界より速い時間の流れの中に住んでいます。家庭用ロボットは人と同じ時間の流れの中に暮らすことになるでしょう。でも、もしかして人の世界より、もっと時間がゆっくり流れる世界に住むロボットがいてもいいかもしれません。有機アクチュエータのゆるやかで優美な動きを見て、そんなことを感じました。

やっぱりロボットは面白い。_d0039955_145232.jpg
パトレーバーな自律型ヒューマノイドが似顔絵を描いてました。産総研と川田工業が開発したHRP-2の外観デザインは出渕裕さん。奈良先端技術大学院大学が、HPR-2を使って画像認識のデモンストレーションを行っていました。人の顔だけ認識し似顔絵を描くというもの。技術的には高度なのでしょうが、ロボットの外観とやっていることが釣り合っていません。と言ってベレー帽をかぶせるのもなんだし。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2005-12-05 13:49
<< セミナーの後に思ったこと 僕らのかつての未来 >>


S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

Twitterもやってます!

*当ブログの奥座敷
KoKo Annex

ライフログ
以前の記事
カテゴリ
その他のジャンル
ブログジャンル
リンクについて
当サイトはリンクフリーです。
お気軽にリンクして下さい。

本ブログの記事と写真の
無断複写・転載を固く禁じます。




Copyright 2005-2019 Keiichiro Fujisaki All rights reserved
本ブログの記事と写真の無断複写・転載を固く禁じます。