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藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
冗長性を論ずる
冗長性を論ずる_d0039955_12144969.jpg本日発売の『美術手帖』4月号に2本原稿を書きました。山中俊治さんのインタビューと、「身体のリダンダンシーとしてのサイボーグ技術」という原稿です。

昨年スパイラルガーデン(雑誌のリードにはスパイラルホールと記されています。ここが1週間前の投稿で書いた追加訂正したかった箇所。僕の勘違い、申し訳ありません)で行われた山中さん率いるL.E.D.によるMOVE展が本当に良くて、今回特集に関して美術手帖の編集の方から相談があったときに、ぜひインタビューしたいと話して実現したものです。心を込めて書きました。

もうひとつは冗長性=リダンダンシーの話です。冗長性をいかにデザインするかこそ、21世紀のデザインの最大の課題だと思っています。山中さんのインタビューでも最後のほうは冗長性の話になりましたし。この原稿では、建築、コンピュータシステム構築、プロダクトデザイン、ウェブデザイン、サイボーグなどを縦断して冗長性を論じてます。僕の最近のデザイン論の総括といっていいものです。

冒頭だけ載せておきます。

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実用性を追求し徹底的に無駄を省いたシンプルな形に美が宿るという機能美神話はかなりの部分、幻想にすぎない。姉歯マンションは耐震構造が劣っていようとも、そのことはまったく外観に影響を与えていない。免震マンションが丈夫に見えるわけでもなく、姉歯マンションがか細く見えることもない。姉歯元建築士や東横インの社長が「だってレス・イズ・モアだから」って語ったら、モダニズムの神様はどんな思いをしただろうか。
「わしゃあそんなつもりでああ言ったんじゃない」。ミース・ファン・デル・ローエならギロリと睨みを利かせて語る。「バルセロナパビリオンやトゥーゲンハット邸に使ってる柱は知っとるか。ピッカピカのクロームメッキの十字柱。あれのどこがレスなんじゃい。ニューヨークのシーグラムビルではスチールより高価なブロンズをマリオン(窓の桟)に使っておる。21世紀風に言えばリダンダンシー。冗長性じゃよ」……なんて。
 冗長性は愚鈍でない。変化に対応するしなやかな適応力である。削ぎ落として冗長性を美しく際立たせる神業がレス・イズ・モアだ。美しい冗長性を機能美だと勘違いしている人たちが多すぎる。

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つづきは『美術手帖』4月号で!!

このあと話はカラトラバや東証のシステムダウン、RAID、ecotonoha、±0の傘、ミケランジェロ、筋肥大、攻殻機動隊と来て、パワードスーツや筋電義手などのサイボーグ技術の話に至ります。8300字くらいの長めの原稿。冗長性の美を語っているのに、その文章が冗長なのは最悪ですから、長いけど読みやすくなるように気を配っています。

ブログで膨らませてきた思考がずいぶんこの原稿に役立っています。読者の皆さまに感謝します。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2006-03-17 12:17
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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