藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
ベルリンの塀
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もう1か月前の話なのにドイツネタが続きます。
ベルリンの壁は、日本語で正確に言えば「塀」じゃないか。
ドイツ出張の時、編集者とクルマに乗りながらそんな話をしました。一般に「塀」は敷地を囲うもの。「壁」は建物の四方を囲い外と内を隔てるもの、もしくは建物の部屋と部屋を分けるものです。粋な黒塀、見越しの松に……というのはお屋敷を囲う黒い塀です。

しかし帰ってきてネットで検索してたら、答えが見つかりました。
「壁」とは越えられないもの、もしくは越えがたいものだというのです。壁にぶつかるって言い方の壁です。
確かに「塀」と聞くと、梯子とか持ってきたり、アニメのヒーローくらいのジャンプ力があれば(ふつう無いけど)、ひょいっと乗り越えられるものを想像してしまいます。大名屋敷の塀の上を鼠小僧がつつつーっと走っていくイメージです。
「ベルリンの塀」と呼ぶと簡単に乗り越えられそうです。ですが、実際は越えようとした人たちが撃ち殺されたわけで、これはやっぱり「壁」なのです。ま、今は無事「塀」となって観光名所にもなっているわけですが。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2006-07-25 22:42
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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