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藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
5月29日(火)ミッドタウンのデザインハブへ「モビリティデザインの未来」と題された奥山清行氏と GKデザイン機構の石山篤氏のトークを聴きに行きました。バイクのデザインの話です。奥山さんはフェラーリなどを手がけたカーデザイナーですが、バイクのデザインも手がけたことがあるそうです。というか、本人いわく「バイクに関してはデザイナーというよりマニア」。16台バイクを持っていて、アメリカではオフロードレースに出場していたそうです。

名車ヤマハV-MAXなどを手がけた石山さんと、奥山さんは、デザイナーとして見つめている方向がほぼ重なり合っていました。奥山さんは、ミニマリズムの無駄を削り取った線を探し出しながら、でもその線には艶もあり、遊びもある。石山さんは、部品そのものを見せる還元主義的なデザインを目指しながら、そのエレメントの集合体はセクシーでエモーショナル。そして曼荼羅のように根源的な生命力が迸る。

──僕に言わせればバイクこそ冗長美の典型です。機能美ではないのは、機能主義から逸脱しているからです。機能主義しか許さない社会だったら大型バイクは真っ先に要らないものになるはずですから。それが機能主義的な顔をしている。でも無駄を削り落とせば落とすほど、存在自体が機能主義から逸脱してる、その逸脱の魅力が現れてくる。そんな機械だと思います。

奥山さんが絵を描くことの大切さを語る話も興味深かったです。ドローイングでは二次元上ですべて自分がコントロールしている。絵で完成させて粘土は主に検討に使うのが奥山流だそうです。イタリアでは、原寸モデルは粘土を盛って形を定めていくのではなく、エポキシ樹脂のパテの塊を削ることで、モデルをつくっていたとか。削るのだからやり直しがきかない。その緊張感が大切だと。ミケランジェロが大理石を彫る感覚に似ています。

トークが終わった後、懇親会がありました。奥山さん(赤い矢印)に名刺交換やサインをお願いする人が列をなしていました。まさに「旬」の人です。
旬_d0039955_12574288.jpg

text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2007-05-31 12:57
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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