藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
北欧モダン展で、ちびセブン初体験
北欧とは程遠い湿気たっぷりの気候の中、宇都宮美術館の「北欧モダン デザイン&クラフト展」(9/2まで)へ行きました。

幅広く北欧デザインを紹介する展覧会ですが、シンプル&モダンの北欧ライフスタイルの雰囲気を味わいたいという人にはやや敷居が高いように思いました。北欧にはどんなデザイナーがいて、その名作と言われるデザインには、機能性がどのようにフォルムに表れているか、といったことをマジメに鑑賞する──そんなスタンスだとじっくり楽しめる展覧会です。

「触れる展示」「使える展示」が少なかったのが残念でした。展示台の上やガラスケースの中に置かれたデザインは、どうしても美術工芸品になってしまい、日用品としての息づかいが薄れてしまいます。

といっても、いくつか座れる椅子がちゃんと用意されていました。
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で、初めて子ども用セブンチェアに座った。これが実にいい。

いっしょに行った編集者もこの“ちびセブン”が気に入って、座りながら「日本の大人にはこれで十分かも」「背もたれが腰に当たる位置がいい」「背もたれのクッションもいい」「コーヒーテーブルで軽くお茶しながら打ち合わせするのにいいかも」「カフェにもいいかも」「あっスタッキングもできるんだ」としばし語り合いました。
北欧モダン展で、ちびセブン初体験_d0039955_15564122.jpg
アルネ・ヤコブセンのセブンチェア誕生50周年を記念してフリッツハンセン社が2005年に発売したものです。受注生産で49,350円。やっぱり座れたり、使えたりすると、ああでもない、こうでもないと話が弾みます。

ヤコブ・イェンセンがデザインしたB&Oのラジオなど、工業製品系の作品の中には、東京や京都には巡回せず、宇都宮美術館でしか見られない展示があるようです。展覧会レビュー&北欧デザインのお話しは、『いけばな龍生』(9月に発売、だったかな?)という雑誌に書く予定です。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2007-07-14 16:03
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藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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