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藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
危機管理産業展2007
10/19(金)東京ビッグサイトへ最終日だった「危機管理産業展2007」を見に行きました。
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おっ、まさに攻殻機動隊。


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今回の一番の収穫はこれでした。NTTコムウェアのタンジブル災害情報管理システムです。テーブル上の円形のパック(操作用駒)を使って操作します。パックを回すと地図が拡大・縮小します。アイコンの上に置くと、その場所の災害現場の様子を伝える映像が見られます。パックの中央のポッチを押すと、通信などさらなる操作のためのコマンドが現れます。複数のパックが用意されていて、同時に複数の人たちが操作可能です。
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映像を投影したテーブル上の「駒」で操作する直感的インターフェース。これはどこかで見たような…、しかもネーミングには「タンジブル」……。「もしや」と思って質問してみました。思ったとおり、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボの石井裕教授との共同研究でした。NTTコムウェアの研究員がMITの石井さんのもとに留学して、開発に当たったそうです。災害救援部隊の位置を地図上で把握でき、連絡をとりたい救援部隊のアイコンにパックを置くと映像を交えた通信が可能。地図を見ながら移動の指示が行える。2000年ICCで石井さんの展覧会がありましたが、彼の提唱する「タンジブル・ビット」はその頃に比べて、「実用」に向けてますます進化しているようです。NTTコムウェアでは同じプラットフォームでビジネス用システムも開発しています。軍事演習などにも転用可能でしょう。

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閉鎖空間内高速走行探査群ロボット。東北大学田所研究室が開発するレスキューロボットです。ロボット本体(探査ロボットKenaf)は、千葉工業大学などが開発したものです。半自律で走行。進行方向やスピードを指示すると、後はロボットが自分で路面の形状を判断して進んでいく。電波の届かない地下街などで、複数のロボットを遠隔操作する技術がポイント。まず無線LANのアクセスポイントとなるケーブルをロボットが敷設し、そこから情報を送受信して複数のロボットが連携して、被災現場の情報収集に当たる実験を行っているとのことです。
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ニョロニョロと進んでいく「能動スコープカメラ」。東北大田所研究室が開発したものです。ケーブルにはタワシのようなケバケバがつき、等間隔につけられたバイブレーターによる振動によって、ケーブル自体がスキマへスキマへ進んでいきます。

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こちらは三菱電機特機システムから商品化された小型クローラ移動ロボット「FRIGO-M」。すっきりしたスタイリングにまとまっています。
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小回りの利く素速い動きが印象的でした。小型なので大きな瓦礫の走行は不得手そうですが、工場で有毒ガスが漏れた場合など、人に先だって情報収集したり、床下の点検、車底の感知などに使えるとこのことです。

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アメリカ陸軍が採用しているPackBot。iRobot社の製品。
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総代理店はいま何かと話題の山田洋行。イラクやアフガニスタンなどで1000台以上使われているそうです。地面に落としたドライバーを取って観客に手渡すパフォーマンスをやってました。
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遠隔操作するオジサンです。コントローラーはゲーム機のもの。カタログだとほぼPS2のコントローラー。今回の展示会では十字ボタンのない仕様のものが使われていました。戦争のゲーム化って本当ですね。

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災害時の仮設トイレ。ポイントは、し尿(大小便)をパウダーにしてしまう技術。パウダレットという商品です。
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バケツの中に薬品を入れてかき混ぜると、無臭の粉末になります。家族標準パック(台座・肘なしや混ぜる機構付きの本体と薬剤60袋など)で価格15万円は、いささか高いような気がします。大企業などは災害用の備品として予算を組んで大量に買えるでしょうが、一般家庭でももっと気軽に買える値段にして欲しいです。超高層マンションに住んでいる人など、水が止まって下へも降りれず孤立するといったことがありえますから。
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他にもダンボール製シェルターや避難所用の衝立など、震災対策の製品がいろいろ出品されていました。アクシスギャラリーでExit to Safty展が行われるなど、防災やセキュリティに対する「デザインにできること」への関心が高まりつつありますが、展示会に出品されている商品全般を見れば、まだまだたくさんデザインにできることがある、と感じました。この製品は頼れるなと思わせたり、心理的なストレスをやわらげるような、安心や信頼感のためのひと工夫をするのはデザイナーが得意とするところだと思いますから。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2007-10-22 10:56
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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