藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
間違いなくベスト
今年の東京のデザインお祭り週間。気になるところを回っただけで、全部はまったく見てませんが、言い切ります。この展覧会がベストです。
Deroll Commissions Series 1「箱」展。11/4(日)まで。見に行くべき展覧会です。岡田栄造さんの企画。若手5人の建築家が「箱」をテーマに作品を制作しました。キュレーターと作家の意思疎通がうまくいかないと、これだけ発想が豊かでキリッと締まった作品は生まれないでしょう。キュレーターが作家一人ひとりを深く理解して企画を投げている。依頼された作家は自分をちゃんと理解されていることが分かっているから、緊張感の漲る作品を投げ返す。ワークショップを開いてディレクションしてあげるぞ、という姿勢ではありません。
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中村竜治さんの「虫かご」。光造形で制作。線の細さは光造形で実現できるギリギリの細さだとか。中の黄色の蝶は生きてます。いろいろな角度で見てみると面白いです。
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永山祐子さんの「宝物標本」。8つの透明なキューブが並びます。写真はその一個。「手の届かない場所」が永山さんの建築のひとつのテーマだそうです。5センチ角の透明キューブに「手の届かない場所」が仕掛けられています。
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石上純也さんの「リトルガーデン」。都現美のオープニングで最初に発表された作品ですが、もともとこの展覧会のために制作されたものです。再び都現美へもどりますが、ここで見て、また都現美で見ることをおすすめします。巨大バルーンの対比として見るのと、見え方が違います。どちらも面白い。コンテクストによって意味は変わる。「箱」というテーマの作品が並んだ中で見る、370個の銀器とドライフラワーで構成された作品は、新たな発見をもたらしてくれます。
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岡田さん(手前)がしっかり解説してくれます。解説してもらわないと、分からない作品もあるので、スタッフの方に声をかけてみることをおすすめします。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2007-11-03 21:05
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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