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藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
残そう!ピラミッド校舎の緊急シンポジウム
2/22、緊急シンポジウム「残そう!学習院大学ピラミッド校舎群」に参加しました。ピラ校に関しては、本ブログで1/13の見学会のことを、また次号(2/25発売)の『芸術新潮』のコラムでも書いてます。今まだ解体はされてません。保存の道は非常に険しくなってますが、完全に閉ざされたわけではありません。
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だって、みなさん、見てください。こうなっちゃうんですよ。
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これはないでしょ。(模型は京都工芸繊維大学大学院 木村・松隈研究室 馬場隆行さんの制作)。

シンポジウムでの松隈さんの話によると、設計者の前川國男は「学問のコア」としてこのピラミッド校舎中心の校舎群を建てましたが、大切なのは、四角錐の建物より、広場をつくること、と考えていたとのこと。広場に落とす影を最小限に抑えるという意図からピラミッドの形が発想されました。四角い効率のよいビルが建つと、ビルの内部は効率がいいのかもしれませんが、建物と建物を繋いでいた隙間──今まで生きていた余白が死んでしまいます。上を向けば青空が広がる広場のベンチが、ビルの影に覆われた寒々しいベンチになってしまうわけなんです。

前川は後年、師匠のコルビュジエにお褒めの言葉をもらったのは学習院のピラミッド校舎だけだと述懐していたそうです。

パネラーの兼松紘一郎さんからは他大学でも同じような危機に晒されたりすでに壊された事例が報告されました(愛知県芸の吉村順三の校舎も存在が微妙になっていると指摘がありました。卒業生頑張ってください)。他に東京女子大の旧体育館や、文化学院の保存の運動に取り組んできた方の報告もありました。

大学だから残せる建物ってあるはずなのに。いや、余白を生かすって発想にはなかなかなれないでしょうね。目先のことばかり考えて文化なんか育たないのに。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2008-02-23 00:47
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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