藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
28日の日記
28日、銀座gggの中村勇吾展へ。単純に中村さんの仕事は好きなんで、ずっと行こうと思ってて、僕的にはよくあることなのですが、結局最終日になってしまった。

flashのサイトって待ち時間があるし、情報の送り手のリズムを受け手が無理やり押し付けられるのようで嫌いなのですが、中村勇吾さんがつくるflashのサイトは、相手がなんか生き物で、その生き物のリズムに合わせてみようかなって思わせるんです。相手のリズムを尊重したくなるというか、相手のリズムに合わせると、もっともっといい情報が引き出せて、面白い対話ができそうって期待させるダイナミズムがあるんです。最終日ちゃんと見といて良かったです。

そのあと、松屋のデザイン物産ニッポン展へ。入場料800円は高いです。最近、気になる展覧会は招待状をもらっていても、なるべくお金を払って入るようにしてます。値ごろ感っていうのも大きな情報ですから。

お金はかかっていると思います。あれだけ全国のものを歩いて探し回っているわけですから。けれど、中で展示品を販売してるのだから、値ごろ感としては疑問。売り物でもある展示品に触れないのもどうなのかなと思いました。

単に地方の美しいもの・良質なものを取り上げる展示会ではなく、地方から情報発信する姿勢に目を向けて、地方がゆるやかに脱中央を図っている姿勢を応援していることが伝わります。そこには共感がもてました。けど、松屋でそれをやるのはどうなのでしょうか。東京のデパートは地方の工芸家にとっては中央の力そのものですから。

そのあと、芸大へ。DAGODAの校正チェック。あと一息。いい感じです。フリーペーパーですけど、500円くらい値段がつけられる内容になってます。

夜はデザイン&ミュージアムリンクの座談会へ。デザインミュージアムのあり方を討議。デザインミュージアムは、ミュージアムデザインの場でもある。デザインとは何かを見る人ひとりひとりに考えてもらうためのデザインに特化したミュージアムは必要と思います。しかしそれが20世紀的な旧来型のミュージアムであるべきではない。

もしこの日本に新しいデザインミュージアムができるのなら、21世紀の新しいミュージアムのモデルケースとなるべきです。つまりミュージアムのあり方までデザインするミュージアムであるべき。そのためにはミュージアムデザインまでできる新種のキュレーターの育成が必要。──なんてことまで本日の座談会では話せませんでした。

そのあと座談会後の懇親会。超局所的にギアス話が進行。もっとしたかったですが、周りを見て控えました。明日がDAGODAの実質的校了。頑張ります。
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2008-08-29 01:08
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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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