藤崎圭一郎のブログ。「デザインと言葉の関係」を考えます。

by cabanon
 
2008年 04月 06日 ( 1 )
text & photo by Keiichiro Fujisaki

 
ヴィンテージ団地!?
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先週(4/4)所用で川崎へ。時間が空いたので、川崎駅から歩いて、団地界巨星の川崎市河原町高層住宅を見に行きました。大谷幸夫/大谷研究室設計。1972年竣工(ネットで調べると69年とか70年とかバラバラ、今度図書館でちゃんと調べます)。
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住みたいかと問われれば、正直にNOと答えますが、しかし、心に底にズドンッと響く建物です。「人」字型棟の内部には大きなホールがあります。トップライトが入りますが薄暗く、子供が遊んだり、住民たちが集うには、いささか陰気な空間です。しかし造形的な力強さには圧倒させられます。神殿のようなのです。大谷幸夫氏といえば国立京都国際会館の設計ですが、京都の作品は海外からの客を迎えるための華やかさがありますが、川崎の作品は庶民のための建物ですから「華」はありません。
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このいささか陰気な翳りのある空間は、どこかで味わったことがある。思いをぐるぐる巡らして思い出したのは、三内丸山遺跡の縄文住宅でした。河原町のこの「人」型高層団地って、縄文の住居が突然ムクムクと天に伸びはじめ、鉄筋コンクリート造の巨大な集合住宅に変身した──そんなイメージを思い描きました。住居の原形だからこそ力強い。
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14階建ては今の高層マンションに比べれば、全く高くない高さですが、上ってみると廊下から階下が直接見下ろせるのでえらく高く感じます。地上の空気を感じる高さは、ガラスに囲われた高さとは違います。もう今ではアリエナイ高層住宅なのかもしれません。昭和の高度経済成長の行き着いた先に生まれた奇跡のカタチですね、これは。
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【関連リンク】GoogleMapsで見る河原町団地
text & photo by Keiichiro Fujisaki

by cabanon | 2008-04-06 22:07


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Profile
藤崎圭一郎
Keiichiro Fujisaki
デザイン評論家。編集者。1963年生まれ。1990〜92年『デザインの現場』編集長を務める。1993年より独立。雑誌や新聞にデザイン、建築に関する記事を執筆。東京藝術大学美術学部デザイン科教授。

ライフワークは「デザインを言葉でいかに表現するか」「メディアプロトタイピング」「創造的覚醒」

著書に広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた『デザインするな』

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